天狗岳
山行記録  [ back ]

フリガナ テングダケ 
山域・山名 北八ケ岳 天狗岳(2646m) 
日   時

1996年(平成8年)10月26日土曜日から27日日曜日 

天   候 晴れ 
行   程 沼津IC(13:25) (東名) 富士IC(13:40) − 精進湖(14:30) − 甲府南(14:55)− 原SA(15:35-43) − 諏訪IC(15:50)    − 渋ノ湯(16:50)渋ノ湯(8:00) − 黒百合ヒュッテ(10:00-13) − 東天狗岳(11:30-46) − 西天狗岳( 12:05-15) −   昼食(12:20-13:00) − 黒百合ヒュッテ(14:00-07) − 渋ノ湯(15:38)  
所 在 地 長野県茅野市、南佐久郡小海町 
2.5万図 蓼科 
緯   度 36.01 
経   度 138.2145 
備   考  


10月26日土曜日

 朝晩と日中の温度差も顕著になって、深まりゆく秋を肌で感じる季節となり、あちらこちらから紅葉のたよりが届き始めると家にじっとしているのがもどかしくなってくる。

黒百合ヒュッテ

 今回の山行は過ぎ行く秋を前に北八ケ岳天狗岳へ出掛けることにした。
 土曜日の昼過ぎに出発。朝霧高原経由で中央高速を乗り継いで奥蓼科に泊まり、翌朝天狗岳に登る計画である。
 朝霧高原も標高1000m近くまで来ると車窓から見える景色は紅葉しており、毛無山も色鮮やかな山容をみせている。
 諏訪ICで降りて国道299号へと入り奥蓼科までの間は、まさに紅葉真っ盛りといった感じだ。辺り一面は黄色一色となっており、この辺りは赤色よりも黄色の方が多く落ち着いた感じである。

 今日の宿泊先は、大変古い。床はぎしぎしするはトイレの扉は半分しか開かないわ、おまけに標高1880mの地点にあるためとても寒い。

樹林を抜けて山頂へ

 部屋に通されてストーブをつけたが1つではとても間に合わない。壁が壊れて風が吹き込むのでなおさらである。少しカゼ気味の私にとってはなんともありがたくない宿である。

 しばらく休憩してから風呂に入りにいく。あまり大きくない風呂が2つあり、一つは冷たい風呂、もう一つは熱い風呂である。
 硫黄の臭いの立ちこめた風呂は四人も入いればいっぱいになってしまうような風呂である。藤生さんの話によれば女湯はあまり湯がなかったとの事。

 夕食はあまり期待もしなかったが、やはりその通りたいしたものは出てこない。鯉が出ていたのでそれを見ただけでもうバツ。
 部屋に帰っても寒いせいか皆そうそうに布団に入ってしまって21時30分全員就寝。

天狗岳山頂からの展望 今日はまさに360度の展望に恵まれた

 

10月27日日曜日

 翌日は西高東低の気圧配置になると昨日の天気予報で言われていた通り、朝から抜けるような青空が広がっている。
 宿の前の道から橋を渡って樹林の中へと入っていく。薄暗い木々の中をさほど急ではない坂道を登ること2時間、突然辺りが開けると黒百合ヒュッテが建っている。

双耳峰の天狗岳山頂

 すでに多勢の人が休憩しており、我々もザックを降ろしてしばらく休憩することにした。
 藤生さんはなにやら買い物へと小屋の中へ入っていく。全員で小屋の前で写真を撮ってヒュッテ前の岩稜を登り始める。

 ひとしきり登り切ると何と目の前にすばらしい展望が飛び込んでくる。中央アルプスから北アルプスまで一望のもとに見渡せる。
 天狗岳も東西2つの峰がきれいに並んですぐ近くに見えている。早く頂上からのすばらしい景色をカメラにおさめようとはやる心をおさえて先を急ぐ。

 天狗の鼻にかかった鎖を登り切るとそこが東天狗岳山頂である。まさに360度遮るものは何もない大パノラマの眺めである。
 北から西上州・奥秩父の山々、目の前に大迫力で飛び込んでくる硫黄岳の大噴火口、その向こうに縦走路と共に横岳・赤岳・阿弥陀岳、西に移って中央アルプス・御岳山・北アルプスは乗鞍・穂高・槍ケ岳、遠く白馬岳まで白い雪をかぶって延々と続いている。その手前には蓼科山、この時期にこれだけの展望に恵まれるとは、まさに「運がいい」の一言である。
 しばらくこの展望にみとれてカメラのシャッターを押し続けて写真をとりまくる。

南八ヶ岳連峰をバックに

 すぐ隣にある西天狗岳へと向かうため一度鞍部へと降りる。ここにザックをデポしておいて西天狗岳へと登り往復。当然のことながらこちらからの眺めも最高である。
 各々写真を撮って先ほどザックを置いておいた所へ戻って昼食にする。
 寒さが心配されたが風もなくおだやかな日に恵まれたことは山行をよりいっそうすばらしいものにしてくれている。

 昼食後、高見石経由で帰るつもりだったが、樹林の中を歩くだけで白駒池まで行って来る時間がないのでもと来た道を引き返す。

天狗岳山頂から赤岳方面を望む

 15時30分渋ノ湯へついて車に乗り八ケ岳広域農道経由で紅葉を楽しみながら帰る事にした。
 途中八ケ岳が大きく見える所がありそこで車を止めて写真をとり、未舗装の道路を延々と走り美濃戸へ出て、鹿の湯で温泉につかり帰ってくる。

 八ケ岳連峰は岩肌をむき出している南八ケ岳と樹林に囲まれている北八ケ岳というように大きく2つに分けて呼ばれている。
 今回の天狗岳は南北のちょうど境に位置し両方の雰囲気を併せ持つ山である。 またとない天候に恵まれてまさに登山冥利に尽きる山行となった。

天狗岳山頂から蓼科山と北アルプス方面


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