至仏山・尾瀬ヶ原・谷川岳
山行記録  [ back ]

フリガナ シブツサン・オゼガハラ・タニガワダケ 
山域・山名 至仏山(2228.1m)・尾瀬ヶ原・谷川岳(1963.2m)  
日   時 1997年(平成9年)6月13日金曜日から15日日曜日  
天   候  
行   程 6月13日
厚木(129入口)
(20:00)−八王子バイパス(20:50)−拝島橋(21:07)−ラーメン満水亭(21:30-22:15)−入間IC(22:30)−鶴ヶ島JTC(22:40)−高崎JTC(23:10) 赤城高原SA(23:38-47)−沼田IC(23:54)−戸倉(0:47)
  6月14日
戸倉
(3:54) (バス)鳩待峠(4:18-30)−オヤマ沢田代(6:29)−小至仏山(7:00)−至仏山(7:40-8:10)−小至仏山(8:42)−オヤマサワ田代(9:07)−鳩待峠(10:10-34)−山の鼻(11:20-13:20)−鳩待峠(14:20-50)−戸倉(15:25-35)−水上高原プリンスホテル(16:30)
6月15日
水上高原プリンスホテル(8:15)−谷川岳ロープウェイ駅(8:55-9:05)(ゴンドラ)天神平(9:15)(リフト)天神峠(9:45)−ゴンドラからの合流(10:02)−熊穴沢避難小屋(13:35)−谷川岳トマの耳(11:55-12:05)−肩の小屋(12:12-45)−熊穴沢避難小屋(13:35)−天神平(14:20)(ゴンドラ)駐車場(15:05)  
所 在 地  
2.5万図  
緯   度  
経   度  
備   考  


 年間50万人を超える入山者を迎える尾瀬、山小屋の予約も既に一杯で、今回は水上高原プリンスホテルに泊まって至仏山と谷川岳に登る計画をたてた。

 会社が終わって、小田原厚木道路、八王子バイパスを通り瑞穂町で夕食のラーメンを食べて、セブンイレブンに寄って食料を調達し、関越自動車道に入り赤城高原SAでトイレ休憩。沼田ICを出て戸倉へと向かう。

 戸倉の駐車場はスキー場と兼用でかなり広い。駐車料金1日1000円を支払って中へ入り車を止める。既にかなりの車が止まっている。
 登山の準備を済ませてクーラーボックスで冷やして来たビールを飲んでさっそく車中にて仮眠をとる。

シャクナゲ

 朝一番のバスは3時45分発なので、3時過ぎに起きて支度をし、バス停に向かう。バス停はすでに行列が出来ている。受付でバスのキップ1人950円を買ってバスを待つ。(ここはバス・タクシー共に同じ料金)
 1台目のバスに乗れず2台目のバスに乗って鳩待峠へ向かう。バスの中でうたた寝をしている間に鳩待峠へと到着。

 ようやく夜が明けて来て、空が白々としはじめる。各自トイレを済ませて至仏山へと向かう。

 朝早いせいかひんやりとして、とても気持ちがいい。木々の間から色々な鳥がいい声で鳴いている。かなりの種類の鳥がいるらしい。
 緩やかな坂を登っていくと紫色のスミレが道端に咲いている。途中残雪がとけて登山道へと流れ出している。

 小至仏山の手前まで来ると、上の方に何やら花が咲いているのが見える。どうもシャクナゲらしい。小至仏山まで来ると辺一面にシャクナゲが今をさかりとばかりに綺麗な色で咲いている。蕾の赤い色はなんともいえないいい色をしている。まったく予期していなかっただけに至仏山のシャクナゲには大変感動した。この先岩の間を稜線ずたいに時々尾瀬ヶ原側の斜面を通って至仏山へ。

 梅雨の時期にしては天気に恵まれて、360度よく見えている。眼下に尾瀬ヶ原を見下ろし、その向こうにどっしりとした燧ヶ岳。後ろを向けば上越国境の山。武尊山・谷川岳・巻機山・八海山等、山肌に多くの残雪を残した山々が連なって見えている。
 写真を撮って休憩していると、藤生さんのザックを見た人が「静岡の人?」と声をかけてくる。話をすると裾野の人だという。藤生さんのザックに『カジワラ』のマークが入っており、その人達もよくカジワラを利用するのだそうだ。

 山の展望と花達に別れを告げて、元来た道を引き返す。
 鳩待峠まで戻って来てビックリ。人・人・人・・・・。何なんだ、この人の数は!もはやここは観光地以外の何ものでもないらしい。

 

尾瀬ヶ原と燧ヶ岳

ベンチに座って、ちょっと早い昼食を摂って一路尾瀬ヶ原を目指す。
 鳩待峠から山の鼻までは下りの道である。木道の上を列をなして歩いていく。途中登って来る人がいないところをみはからって、いっきに走って前へ進む。何回かこれを繰り返し山の鼻へ到着。ここも又人・人・人。さすがに年間50万人以上も来るだけの所である。

ここで皆でアイスクリームを食べて自由行動とする事にした。曽我さんと藤生さんは早速花を求めて出掛けて行く。私と杉本さんはせっかくだからと少し歩いて尾瀬ヶ原の方へ向かったが、水芭蕉もすでに終わって少ししかなく、前方を見ると渋滞しているので、途中で引き返して来る。

 山の鼻には、尾瀬植物研究見本園という1周1Kmのコースがあり、そこを1周する。

尾瀬ヶ原にて

 ここは尾瀬に咲く花が全て見られる所だそうだ。こちらはちらほらではあるが、結構いろんな花が咲いている。ミズバショウは小さくて可憐な花だとばかり思っていたが、随分大きなものがあるのには驚いた。はじめはこれ何だろうと思った程だ。
 山の鼻に戻って来て、ビジターセンターに入って尾瀬の花や動物、地質がパネルで説明してあるのを見て、さてこれからどうするかと考えていると、隣の部屋でビデオを放映している。
 外は人が一杯で座るところもないのでこのビデオ室で椅子に座ってザックを置き、靴を脱いで帽子をかぶってしばらく昼寝をする。
 タバコを吸いに外へ出ると曽我さんと藤生さんが戻ってくる。花もないし渋滞しているので途中で帰って来てしまったらしい。

 ここでこうしていても仕方無いので鳩待峠へ帰る事にする。帰りはずっと登りの為、大渋滞。途中で木道の外へ座り込んで「もう2度と誘わないでちょうだい」なんてさわいでいるおばさんもいる。何にしても自分のペースで歩けないのにはまったくまいってしまう。
 それでも先に行って早くキップを買おうと必死に行列を抜かしながら鳩待峠へと急ぐ。

尾瀬ヶ原のミズバショウ

 キップを買ってキョロキョロすると杉本さんがバスの列に並んで待っている。既にバス・タクシー共かなりの行列が出来ている。
 バスもどんどん来るが、団体を乗せて行ってしまうので、我々一般客はちっともバスに乗ることが出来ない。
 30分待ってようやくバスに乗ることが出来たが、タクシー乗り場の誘導員の話では、ひどい時は3時間待ちもあるとか、いやはや驚きである。もう少しバスを効率よく動かせないものだろうか。

 バスで戸倉へ帰る途中、雨が降りだした。戸倉に着いた頃には結構降っている。車に乗ってホテルへ向かう途中、鳩待峠への道を走っているとかなりの土砂降り。我々は運が良かった。バスを待っている人達は、何十分も待たされ、雨に降られて、まさに踏んだり蹴ったりとはこのことだ。

谷川岳

 戸倉から水上高原プリンスまでは渓谷沿いの林道を走るのだが、途中ガードレールが曲がってしまっている。雪で曲がってしまったらしいのだが、これを見てもこの辺りの雪の量は半端でないことがわかる。

 今日の宿泊地、水上高原プリンスホテルはゴルフ場とスキー場に隣接したホテルである。大浴場はゴルフ場と兼用だ。
 夕食は3ヶ所から自由に選んで食べる事が出来る。我々は和食を選んだが、これが出るわ、出るわ、食べきれないくらい出てくる。朝食はバイキング方式である。

 翌日は朝8時過ぎにホテルを出て谷川岳へ向かう。
 ゴンドラで天神平まで行き、水を水筒に入れて、リフトで天神峠へ。ここでしばらく写真を撮ったりして休憩する。真正面にこれから登る谷川岳が聳えている。しばらくみとれて谷川岳への道を降りていく。

 ここで曽我さん、足の調子が悪いという。登りはいいが、下りがどうもヒザが痛くなると言う。行ける所まで行こうと下りきって、天神平からの道と合流して登りとなる。
 しばらく行くと熊穴沢避難小屋へ到着、ここでしばらく休憩。ここから先は急な登山道である。
 岩の重なり合ったような登りをしばらく続けると残雪があらわれ、この残雪をこえてなおも進むと肩の小屋へ。ここにザックを置いて山頂へ向かう。

 

山頂に着いて、記念写真を撮っていたら私の背中に、何か蜂のようなものがついていると言う。曽我さんにみて貰ったらセミがくっついていた。それにしても動いても離れないとは何ともとろいセミだ。

 肩の小屋へ戻って来て山を眺めながら昼食をとる。万太郎山から仙ノ倉山への縦走路をみおろしながら、その向こうに平標山、苗場山が見えている。
 『トンネルを抜けるとそこは雪国だった』のトンネンはこの真下を貫いている。上越国境沿いに延びるこの山は、日本海から吹き付ける冷たい風がこの山脈にぶつかって新潟県に大雪を降らせているのだが、この山のおかげで群馬県側はそれ程雪が降らない。かつて、故田中角栄が「三国山脈を削ってしまえば新潟は雪の被害が少なくて済む」とほんとうに削ってししまいかねない人だけに真意の程はわからないがかなり気象条件の悪いところには違いない。

 かつては『魔の山』と呼ばれ、一の倉沢では700人以上もの遭難者を出す程の山なのである。まぁこれはあくまで岩壁登はんの話であって我々のように一般登山道を登るかぎりにおいてはそれほどの危険性はないのだが・・・・。

シラネアオイ

 谷川岳登頂目標2000回とザックに書いた人がいる。以前、山渓に1000回登頂の写真が載っていたが、あいかわらずガンバッテいるらしい。

 時間的にもあまり余裕がないので下山へととりかかる。ここで私のストックを曽我さんに貸して、『ダブルトレッキングストック』スタイルで先に藤生さんと下って行く。
 私と杉本さんはしばらくタバコを吸って後を追いかける。残雪の下で2人に追い付くがダブルストックは調子がいいらしく曽我さん快調に山を下っていく。

 

避難小屋で休憩して行きに下って来た天神峠への道を見送って天神平へと下る。途中めずらしいギンリョウソウが咲いており、写真の枚数も残り少ないのでこれをカメラにおさめてしまう。
 もう、すぐそこが天神平と言うときに、他の登山者が何やら「めずらしい」と言いながら眺めている。『サンカヨウ』が咲いていると言う。どれどれと眺めてみるが、先ほど全部写真を撮ってしまったので残念ながら写真に撮ることが出来なかった。目に焼き付けて本日の登山を無事終了する。

 町営『湯テルメ谷川』にて入浴し、登山の汗を流し帰宅の途につく。関越自動車道で何ヶ所か渋滞にあいながら、厚木のデニーズで夕食をとって無事帰宅する。

 今回は2日間とも晴天に恵まれて、梅雨時期としては大変恵まれた山行になった。
 花も何種類か見られ展望にも恵まれて、念願の尾瀬にも行くことが出来た。めでたし、めでたし・・・・・。


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