西穂高岳独標
山行記録  [ back ]

フリガナ ニシホタカダケドクヒョウ 
山域・山名 北アルプス 西穂高岳独標 2701m
日   時 1997(平成9)年8月22日(金) 
天   候  
行   程 新穂高温泉駅(8:30)(ロープウェイ)鍋平高原駅(8:35-50)(ロープウェイ)西穂高口(9:00-17)−西穂山荘(10:17-47)−独標(11:45-12:12)−西穂山荘(12:56-13:15)−西穂高口(14:07-14:20)(ロープウェイ)鍋平高原駅(14:30)(ロープウェイ)新穂高温泉駅(14:35) 
所 在 地 長野県南安曇郡安曇村、岐阜県吉城郡上宝村 
2.5万図 穂高岳 
緯   度  
経   度  
備   考  


 会社の取引先の人に誘われて、日帰りで西穂高岳へ出かけて行く。

 日帰りではちょっと遠すぎる気もするが、夜中の2時45分に出発。好きな事をするのだから苦にもならないが、他人からみればバカじゃなかろうかと思われるかもしれない。
 我ながら多少狂気じみた行動だなとおもいながら、夜中の東名高速を富士目指して車を走らせる。
 富士宮にて、一緒に行く2人と合流して、1台の車で西穂高岳めざして出発。
 朝霧の辺りまでくると雨が降っている。昨日の天気予報だと晴れるはずなのにどうもおかしい。

 松本の辺りまでくると、周りの山は雲の中にかくれてしまってまったく見えない。だれが雨男だとお互いに責任を擦り付けながら、安房峠を越えて新穂高ロープウェイの駐車場までやってくる。

 天気は相変わらずパッとせず、曇ったままである。支度を済ませてロープウェイ乗り場へ行き、乗車券(往復2800円)を買い、すでに観光客が列をなして並んでいる後ろに並んでロープウェイが来るのを待つ。
 壁に山頂、天候くもり・視界不良・気温15度・風速SW3mの看板が掛かっている。

 新穂高温泉駅から40数人乗りのロープウェイに乗り約4分で鍋平高原駅迄行き、一旦降りて歩いてしらかば平温泉駅に向かう。
 ここで全員グループ毎に強制的に記念写真を撮らされて、帰りに気に入ったら買ってくれという。
 ここから60数人乗りのロープウェイに乗って約10分で西穂高口駅まで行く。
 晴れていれば、大きく聳える西穂高岳をはじめ、笠ケ岳、錫杖岳、焼岳、槍ケ岳と360度の大パノラマが見られるとガイドの女性がマイクに向かって話しているのだが、残念ながら視界は3m位しかきかず、深い霧にすっぽりと覆われていて何も見えない。

 ロープウェイで新穂高口駅より西穂高口までくるのに混んでいて1時間もかかってしまい、大幅に予定が狂ってしまった。
  ちなみに、2階建ロープウェイ120人乗り7分で山頂へ運ぶ計画があり、工事が行なわれていた。

 これはこまったナと思いながら西穂高口駅でトイレを済ませて取り合えず行けるところまでと西穂高岳目指して登り始める。
 観光客用の散策路の終点に登山センターが建っていて、そこから樹林帯の中へと入って行く。
 緩やかな登り降りを繰り返すと本格的な登りとなる。岩の重なりあった道をよっこらしょの乗り越えながら進むうちにひょっこりと西穂山荘の前に出た。

 山荘の周りにはトリカブトが濃紺というのか、紫色というのか実にいい色をして群生している。
 朝早かったせいか腹が減ってしょうがない。まだ10時だが早い昼食をとることにする。
 相変わらず周りは雲に覆われていて何も見えないが、昼食を取っているとときどき霧が晴れて上高地の向こうに山が見えるようになってくる。
 どうも天候が快復して来ているらしい。せっかく夜中に起きてここまで来たのだから、なんとかすばらしい北アルプスの展望が望めないものかと思いながら、独標めざして西穂山荘を出発する。

 登山道を進んで緩やかな尾根道に出ると、西穂高岳が大きくその全貌を現した。山頂付近にやや雲がかかっているが、ときどき全体がよく見えるようになる。

 眼下には上高地のバスターミナルや大正池が見えている。これは期待出来るぞと思いながら独標めざして緩やかな登りの道を周りの景色を見ながら進む。独標直下の急な登りを慎重に登りきるとなんと西穂高岳から奥穂高岳、前穂高岳と、ものすごい迫力で目に飛び込んでくる。

 ここから先の西穂高岳まではガイドブックにもあるようにかなり切り立った登山道が続いている。
 ロープウェイで時間をとられて時計をみると既に12時近い。ここから西穂高岳頂上まで慎重に行動して往復2時間30分、休憩まで入れれば早くても3時間弱位はかかってしまいそうだ。
 そうすると帰りに降りのロープウェイの最終便に間に合わなくなってしまう。残念だが今回はこの独標止まりとすることにした。

 ザックをおろし独標のはしっこに腰をおろしてゆっくりと周りの山を眺めると、やはり北アルプスの山はすごいなぁーと思ってしまう。特にこの穂高、槍ケ岳周辺の山は切り立った岩と緑と沢筋の白のバランスが実にいい。いつまで眺めていても飽きることのない山である。

 西穂高岳登頂は次回に持ち越すとして、下山にとりかかる。今まで雲の中にあった焼岳、乗鞍岳が見えている。笠ケ岳も山頂付近の雲がとれて全体がくっきりと見えている。
 あとは槍ケ岳だけである。登山センターのところまで戻って来て、観光客の大勢いるところから槍ケ岳を眺めると、あいにくとそこだけ雲の中である。
ダバコに火をつけてしばらく待っていると、だんだんと雲が切れて槍の穂先が姿を現わした。これで本日の目的は山頂を踏むこと以外はすべて達成された。

 西穂高口駅に北穂高岳からの360度パノラマ写真(2100円)が飾ってあり、それを購入して本日の登山は終了である。

 やはりこの辺りまで足を延ばすと、日帰り登山には無理がある。朝の霧にはどうしょうかと思ったが、すばらしい景色が見られて、ここまでやって来た甲斐があった。  


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