金時山
山行記録  [ back ]

フリガナ キントキヤマ 
山域・山名 箱根 金時山 1212.5m
日   時 1998(平成10)年 3月 8日(日) 
天   候  
行   程 金時神社横駐車場(9:55)−登山口入口(10:08)−登山口(10:20-26)−うぐいす茶屋(10:58-11:08)(矢倉沢峠)−金時神社からの道と合流(11:42)−金時山山頂(12:09-13:24)−乙女峠(14:49-15:05)−車道(13:34)−金時神社横駐車場(15:47) 
所 在 地 神奈川県南足柄市、足柄下郡箱根町、静岡県駿東郡小山町 
2.5万図 関本 
緯   度 35.1711 
経   度 139.0029 
備   考  


 今年の冬はよく雪が降る。5日(木)の夜から又各地で雪が降った。今回の山行は道志山塊の最高峰、御正体山の予定であったのだが、4日(水)に現地に問い合わせをするとかなり雪があり、出来れば自粛してもらいたいとのことで急遽「箱根の金時山」へと計画を変更する。

 どうして太平洋側に雪が降るのかと言うと、東シナ海で発生した低気圧が大陸から張り出した高気圧の勢力が弱まり日本の南側(太平洋上)を発達しながら通過すると太平洋側にも雪が降ることになる。
 この時に地上付近の気温が3度以下なら雪、それ以上だとみぞれや雨になる。関東地方では、この低気圧が八丈島の北側を通過すると雨、南側を通過すると雪になることが多いので一応の目安になる。

神山、冠ヶ岳、大湧く谷方面

 今年の冬は暖冬と言われ、エルニーニョ現象も加わって大陸からの高気圧の勢力があまり強くなく、1月中から関東地方もたびたび雪に見舞われて、各地の低山でもかなりの積雪となっており、山行計画もたびたび変更を余儀なくされている。
 今回の金時山もかなりの積雪が予想される。登山口へ向かう道路も両側にかなりの雪が残っている。道路もところどころで凍結している箇所がある。
 金時神社横の駐車場も雪がガチガチに氷付いている。 

 2年前の忘年山行の時に駐車場横からのルートを登ったので、今回は車道を少し下ったところから矢倉沢峠を経て登るルートを辿ってみることにした。
 駐車場を出発して車道を歩いて下って行く。歩道を除雪された雪の固まりが塞いでいて車道を歩かなければならず、すぐ横を車が通り過ぎて行くので危険きわまりない。
 車社会だからしょうがないのかもしれないが、乗る側から歩く側になってみるとあきらかに車優先で歩行者は二の次という現実が存在していることがわかる。
 危険な車道と分かれて金時山登山口の導標が建っている脇道へと入って、両側に民宿や民家が立ち並んでいる舗装された道を登っていくと、左側に金時山の山頂が見えて来る。

 登山口の看板が現われてここから本格的な登山道となっている。登り口は階段状になっており、凍り付いていかにも滑りそうである。ここでアイゼンとスパッツを付けて登り始める。
 雪が凍っている道をしばらく歩いていくと、雪の積もった道と雪がとけて赤土がぐちゃぐちゃな道が交互に現われる。大谷さんのアイゼンの調子が悪く、杉本さんのアイゼンと交換して相変わらず雪道と赤土がぐちゃぐちゃな道を交互に登って行くと、広くなった所で明神ケ岳からの登山道と合流している。

 うぐいす茶屋と書いてある建物が建っているが、営業はしていない。
 辺りを見回してみると矢倉沢峠867mと書かれた標識が建っている。振り向くと大きく冠ケ岳から神山を望むことが出来る。中腹あたりから煙を上げた大湧谷も見えている。
 はじにベンチが設置されており、そこに座って休憩をする。
 忘年山行の時はよく晴れた青空で暖かく、山頂で1時間くらい昼寝をした記憶があったのでビールを凍らせて持ってきたのだが、見てみるとまだ凍っていてこのままでは山頂まで解ける様子はない。
 ここから私と杉本さんが1本づつ手に持って登ることにする。
 相変わらず雪道と赤土の道が交互に続いている。高度が上がるにしたがって雪の量も増えてきてぐちゃぐちゃな道もなくなって歩きやすくなる。
 両側にハコネダケが茂り赤っぽい火山岩が目に付くようになってくると金時神社からの登山道と合流して、雪の積もった急坂を登りきると山頂である。

金時山山頂から見た富士山

  雪で覆われた山頂には既に多くの登山者がベンチに腰掛けて昼食を食べている。1つだけ雪に覆われたベンチが空いておりストックを使って雪をどかして座れるようにし、手に持って来たビールを飲みながら早速おしるこの準備にとりかかる。
 鍋に缶詰のあずきをいれてお湯で薄め、塩を少々、餅をいれて柔らかくなるまで煮込んで出来上り。寒い時には暖かくて甘い物はほんとうにおいしいものだ。山頂で食べるのはまた格別である。ちょっとお湯の分量を間違えて汁を多く作り過ぎて、みんなで無理やり飲んだのが難点ではあるが。
 山頂からの展望はやはりなんといっても富士山である。中腹あたりに雲はあるものの真っ白い雪をかぶったきれいな姿を望むことが出来る。愛鷹連山、道志、丹沢山塊、箱根の山々、芦ノ湖も見えている。箱根の山の中では3番目に高く、箱根外輪山の中では一番高い山だけのことはある。
 小屋の前に撮影用のまさかりが用意されており、それを借りて記念写真を撮って乙女峠の方に向かって降り始める。

 こちらの登山道は雪の量がすごい。途中で藤生さん、杉本さん、大谷さんのアイゼンがはずれてしまい付け直しをして、降ったり登ったりを繰り返しているうちに広々とした長尾山までやってくる。
 真っ白な雪に覆われていて大変きれいである。杉本大谷さんがだれのお尻が一番大きいかなどといって皆で雪の上に尻餅をついたり、雪玉を作ってぶつけ合ったり、途中でビデオ撮影などをしながら乙女峠まで降ってくる。

 乙女峠には小屋が建っており、煙突から薪ストーブの煙が立ち登っている。備え付けのベンチでひと休みしながら景色を眺めると、明神ケ岳から明星ケ岳が見えている。大文字焼きの大の字が雪で白く浮かび上がっている。富士山のほうは恥ずかしいのか雲の中に隠れてしまって見えない。
 ここからは下へ降るに従って車道を走る車の音がだんだんと大きくなって、杉林の中を抜けると車道へ出る。

マサカリ担いで記念撮影(^^;

 歩道に溜った雪をよけながら車道を歩いて駐車場まで戻って来ると我々の車を含めて2台だけになっていた。

 湯河原まで戻って来て、日金の湯へと出かけて行く。ちょっと時間的に遅かったせいもあるが空いていて、ほとんど貸切り状態というのがうれしい。

 足柄山の金太郎伝説で有名な金時山は、箱根の中でも特に人気の高い山で、多くの登山者でいつも賑わっている。
  今回は雪の影響があったせいかあまり人がいなかったように感じられた。
 次回は初の三重遠征。福寿草の咲き乱れる藤原岳、皆さん風邪などひいて不参加なんてことにならないよう健康管理に気をつけましょう。


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