二十六夜山
山行記録  [ back ]

フリガナ ニジュウロクヤサン 
山域・山名 二十六夜山 1297.3m
日   時 1998年(平成10年) 4月29日 水曜日 
天   候  
行   程

谷村町駅(8:10)(タクシー)新道坂トンネル(9:30)−今倉山(9:56-10:12)−松山(11:00)−二十六夜山(12:05-13:17)−上戸沢登山口(14:50)−バス停(15:05-15) (タクシー)都留市役所(15:30) 

所 在 地  
2.5万図  
緯   度  
経   度  
備   考  


 「二十六夜山」これ一体何て読むんだ?「にじゅうろくやさん」随分変わった名前だな。
 パソコンで山のデータベースを作ろうと、データを集めている時に偶然知った山の名前である。
 その後、色々とこの山について調べてみると、山梨県の道志にあること、花が多い山であることなどが判り、以前から気になっていたところ、偶然「山と渓谷」に紹介されたのをきっかけに、花の百名山にもなっていることがわかり出掛けて行く。

 今回は参加人数が多いため杉本さんの車と私の車の2台に分乗して行くことになった。
 沼津から東名で御殿場まで行き、東富士五湖道路を山中湖で降りて、国道を都留市へと向かう。
 都留市役所に車を止めて、谷村駅でトイレを済ませ、登山口である新道坂トンネルまでは、駅にいたタクシー2台に分乗する。

 登山口には次々と車でくる人と同時に2台のバスが到着し、ぞくぞくと登山客が降りてくる。この新道坂トンネルは道志山塊の最高峰御正体山をはじめとして菜畑山、二十六夜山などの登山口となっている。

 初夏を思わせるような陽気の中、登山口で薄着となり最初からかなりの急登を登り始める。IKさんが先頭を快調に登っていくが、チョットペースが早いようなので後ろから声を掛けると「マイペースで行きます」と頼もしい返事が返ってくる。
 登り始めて暫くすると、道端にヒトリシズカが群生している。これは最初から花についてはかなり期待が持てそうである。
 振り返るとどっしりとした御正体山が正面に見えている。さすがに道志の最高峰、立派な佇まいである。

 腐葉土が積もってふかふかした感触を足の裏に受けながら、尚も急登を登っていくと今度はトリカブトが群生している。あちらこちらトリカブトだらけだと言ってもいいくらいの数である。花の時期には辺り一面紫色で綺麗なことだろう。
 この坂で飯田さんが靴擦れをおこしてしまう。早めにリバテープを貼って手当をする。この処置は正解で、我慢して歩き続けてしまうと途中で足が痛くて歩けなくなってしまうので、新しい靴ではもちろんだが、履き慣れた靴でもどうかすると靴擦れを起こすので山登りでは特に注意が必要である。

 今倉山は木に囲まれた中に山頂があり、標高は二十六夜山よりも高くて1470mである。今回は時間的に余裕もあるしここでゆっくり休憩する。
 いつも感心することだか、皆さん朝早い出発にもかかわらず、おいなりさん、漬け物、たけのこ等実に色々な物を作って持ってくる。

 この先は稜線上を登ったり降ったりしながら二十六夜山を目指して進んでいく。
 紫色のスミレが咲き乱れ、御正体山の向こうに富士山が姿を現している。多少春霞がかかってはいるが、三ツ峠から雪をかぶった南アルプス、秩父の山も丹沢の山々も見渡せる。

 私は花の名前はあまり詳しくなくよく判らないが、皆はあれやこれやと賑やかに話しながら歩いている。花が咲いていないのに名前が判るあたりはさすがである。曽我さんはカメラ片手にパチリパチリと花の写真を撮りながら歩いている。
 耳を澄ませばウグイスをはじめとして多くの野鳥の鳴き声を聞くことが出来る。
 登山道のすぐ脇で野鳥の鳴き声がする。ビデオに収めようとザックから取り出して撮影を開始すると、なんと私のすぐ目の前の枝にとまるではないか。まったく人を恐れることがないとは驚きである。
 ミツバツツジもあちらこちらで満開の花を咲かせている。皆気が付くかなと思っていると、後ろから藤生さんの声が聞こえてくる。どうやら気が付いたようだ。

 一度大きく降って登り返すと1297m二十六夜山である。東側は木に覆われて展望はきかないが、西側は正面に御正体山と富士山を望むことが出来る。
 二十六夜とは民間信仰の1つで、旧暦の1月と7月の三日月の夜に女衆だけが集まって一夜を明かす行事をこの山頂で行ったのが山名の由来だという。
 既に昼食をりながら休んでいる人たちで一杯の山頂を少し離れたところで昼食にする。
 私の横で昼食を食べている大谷さんはスキー用のサングラスをかけており、こちらを振り向く度にドキッとさせられる。

 かなりゆっくり休憩した後、山頂で記念撮影をして二十六夜山を後にする。
 下山は実に大変である。ずーと急な下り坂なのだ。飯田(節)さんは2本の木が1つにくっついているなんて言いながら降っているが、皆相当苦労してこの坂を降っているようである。
 曽我さんは膝の負担を軽減する為に、いつものようにダブルストックで歩いている。足の負担が両手にも分散されて楽なので飯田さんも途中から大谷さんのストックを借りてダブルストックで降り始める。
 時々立ち止まって上を見上げると木々の新緑の鮮やかさが見事である。

 ヒノキの植林された所を過ぎると沢が現れる。休憩しているグループの人が向こう側にいい水があるよと言うので行って顔を洗うと、冷たくてとても気持ちがいい。皆が来るのをしばらくまって、タクシーを呼ぶために杉本さんと2人で先を急ぐ。

 沢に沿ってしばらく歩くと突然車道に出た。しかしバス停はまだ先のようだ。
 ザックから携帯電話を取り出してタクシーを呼ぼうと思ったが圏外表示でつながらない。電波状態のよい所までと車道を降って行くと上戸沢の部落にでる。
 この辺りまでくるとようやく携帯電話が通じるようになり、タクシーの運転手に貰った名刺を取り出して電話をかけて朝乗った2台のタクシーをお願いする。
 バス停にしゃがみ込んで待っていると、タクシーが着くのと同時に全員が到着し、タクシーで都留市役所へと戻る。

 車に荷物を積み込んで、タクシーの中で杉本さんが聞いてきたすぐ近くの旅館に風呂に入りにいく。料金は1人300円と安い。
 今家族で入っているのでしばらく待ってくださいと言われて外でしばらく待っている。
 風呂は1つしかないらしく男女交互に入ることになり男性陣が先に入浴する。
 浴槽は広いのだが洗い場が1つしかなくお湯も押しっぱなしにしていないと出てこない。しかし300円じゃ文句もいえないな。今日は大変暑く汗びっしょりだったので汗を流してさっぱり出来ればそれで満足である。
 女性陣が入浴している間、飯田(国)さんと大谷さん缶ビールをゴクゴク、うーん、汗をかいて風呂に入り冷たいビール最高ですな。

こういう時酒が飲める体質でよかったとつくづく思うんですよね。下戸には絶対にこの良さはわかりませんもの。私も帰って早速冷えたビールをグィと一杯最高でした。

 二十六夜山は道志山塊の山だけあって低山ながらなかなかいい山である。花も多いし行程もそこそこだし、ただし上戸沢への下山路はあなどれません。 


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