山行記録 [ back ] |
フリガナ | クロヒメヤマ・イイズナヤマ |
山域・山名 | 黒姫山(2053.4m)・飯縄山(1917.4m) |
日 時 | 1999(平成11)年5月7日(金)〜9日(日) |
天 候 | |
行 程 | 5月8日 沙羅仙(7:55)(車)大橋(8:15-22)−新道分岐(9:50-10:00)−大ダルミ(10:37)−西登山口(11:10-11:13)−(新道へ)−山頂(14:03-14:40)−黒姫乗越(15:41)−越見尾根(16:28-34)−姫見台(17:13)−第二リフト(18:02)−沙羅仙(18:30) 5月9日 沙羅仙(8:05)−林道駐車場(9:20)−駒つなぎの場(10:08)−戸隠中社分岐(11:13)−神社(12:22)−山頂(11:33-12:13)−神社(12:22)−分岐(12:30)−水のみ場(12:54-13:00)−駒つなぎの場(13:08)−登山口駐車場(13:30) |
所 在 地 | 黒姫山 長野県上水内郡信濃町 飯綱山 長野県長野市、上水内郡戸隠村、上水内郡牟礼村 |
2.5万図 | 黒姫山 信濃柏原 飯綱山 若槻 |
緯 度 | 黒姫山 36.4837 飯綱山 36.4411 |
経 度 | 黒姫山 138.0749 飯綱山 138.0812 |
備 考 |
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5月7日金曜日
会社に着いて荷物を整理して車に積み直す時に、山に登るのだから忘れ物があってはまずいなと思い、念のためザックと登山靴だけは数を合わせておこうと確認したところ、ザックが1つ足りない。よく見ると大谷さんのザックが見当たらない。カバンの中にでも入っているのかなと思ったが、一応杉本さんに電話で連絡をした。 沼津駅北口に藤生さんを迎えに行き、曽我んと杉本さんを乗せ、大谷さんを迎えに行く。 いつもはカツ丼やラーメンだが、明日はかなり時間がかかりそうなのでレストランに入ってしょうが焼き定食を皆で食べる。 夕食を済ませて再び中央道を走り岡谷から長野自動車道に入り、上信越道長野IC付近で宿に電話を入れる。
この宿インターネットにホームページを開設していて、Eメールで予約をお願いしたのだが出てきた人は年配の女将さんである。 宿に着いて翌日の昼食とジュースをコンビニで買ってくるのを忘れていた事に気が付く。宿の人に場所を聞いてコンビニまで出掛けて食料を調達し、戻って来て早速風呂に入り、ビールを頼んで今日はおとなしく就寝。 5月8日土曜日 今日は大橋から大橋林道を登って西登山道を経由して山頂に立ち、黒姫スキー場に下るルートを歩く計画となっている。
この林道にはゲートがあり、一般車は通行が出来ない。道の両側にはタラノメがあるが既に取られたあとである。宿の人に山菜を採ってくれば夕食に天ぷらにしてくれると言われていたが、車の中でフキは雑草みたいなものだと言われ意気消沈、フキノトウもあるがもう延びきっていてダメである。 林道の脇にはクマザサとカラマツがあり、カラマツは芽吹いたばかりの葉が緑色に光って見える。ホトトギスも実にいい声で春を告げている。風も無く暖かで小春日和と言ったところだろうか。大きく深呼吸すると春の臭いが体中に充満してとても気分がいい。 林道脇に水が流れているとこるがあり、ミズバショウとリュウキンカが咲いている。この辺りはまさに春たけなわである。この先まだ林道は続いているのだが、林道を縫うように登山道が付いている。林道が終わって登山道になると程なく新道との分岐点に到着する。ここでジュースを飲んで一休み。 思えばこの分岐点が運命の分かれ道であった。ここから新道を通れば雪に苦しむ事もなく山頂に立てたものをわざわざ遠回りをして西登山道を行ったばっかりに・・・。 そんな事とはつゆ知らず西登山道を歩き始める。はじめは雪もなく、杉本さんなど雪が無くちゃつまんないななどと言っている。
それからこのネマガリダケの竹の子を採りにくる人がいて、竹の子を採られてしまうと竹細工が出来なくなってしまうので、あちらこちらに採取禁止の看板がかかっている。 このおじさんと別れてまもなく大ダルミの湿原に出た。この辺りまでくると雪が残っており、ミズバショウもまだ冬の眠りからようやく覚めて、土の中から少しだけ顔を出していると言った状態である。 この大ダルミから先が大変である。雪で登山道が見付けにくく、時々雪を踏み抜くとズボッと膝の辺りまで潜ってしまうのだ。 この先も時々スボッ、ズボッと雪を踏み抜きながら何とか西登山口の標識がある所まで辿り着く。
相変わらず時々雪を踏み抜いてはズボッと足を取られ、ひどいときには腿の辺りまで潜ってしまう。皆でズボッ、ズボッとやりながら少しづつ進んで行くと、前の方から1人の登山者がやってくる。 よかった道は間違っていなかった、と安心したのも束の間、この人に聞いてみると、新道を登ってこちらに下って来たのだが、全く登山道は見あたらず、標識を見落としてはいけないと思ってジグザクに下りて来たと言う。 我々も木の間を抜けスボッ、スボッと雪を踏み抜きながら進んで行くがどうにもらちがあかない。こんなことをしていると時間ばかりかかってしまってどうにもならない。 途中まで杉本さんが先頭を行き交代して先頭にたってステップを作りながら上を目指して進んで行く。あえぎながら登り切るとひょっこりと新道に出た。 やったー新道にでたぞ。これで一安心である。新道には雪もなく、戸隠山から高妻山、北アルプスまで見えていてとても景色がいい。 ようやく誰もいない山頂に着いたのは登り始めてから4時間後である。早速お湯を沸かしてコーヒーを入れて景色を眺めながら飲む。 山頂からスキー場に向かうコースにも雪が有るのだろうか。ちょっと見るとすぐに雪がある。でもその先に登山道が付いており、下り始めると雪道に出たり登山道に出たりを繰り返しながら下っていく。 これは困ったことになったと思い、地図を広げて現在地を確認すると、急な斜面を下っていくようになっている。しかも悪いことに大量の雪に覆われた斜面の下からは水が勢いよく流れている音がする。 私と杉本さんが相談している間、他の3人はどう思っていたのだろうか。ここで胸の内を推測してみよう。 曽我さんから地図とコンパスを受け取って現在地と目標をセットして、慎重に下り始める。コンパスの指し示す方向に進んで行くとすぐに登山道が僅かだが現れた。方向は間違っていない。しかし、しばらく進むとまた登山道がなくなってしまう。 地図とコンパスを睨み方向を決めて進んでいく。そんなことを繰り返しながら何とか越見尾根までたどり着く。 スキー場の斜面にはショウジョウバカマがいっぱい咲いており、先程までの緊張感をやわらげてくれる。エンレイソウとスズランもあるがまだ時期が早い。
第2リフト乗り場の近くまで来て携帯電話で宿に電話をして迎えに来てもらうように頼む。疲労した足を奮い立たせて一生懸命に下ってくると白い車が迎えに来た。 こうして9時間30分にわたる長い長い黒姫山山行は無事に終了する。今日はたった5人にしか出会わず静かなそして苦労した山行であった。 宿に着いて早速風呂に入りに行く。ギンギンに冷えたビールが飲みたくて冷凍庫に入れて置いてもらおうと思っていたが、うっかり忘れてしまって、しまった!と思っていたら杉本さんがちゃんと言っておいてくれたそうだ。 昨日も今日も貸し切り状態、山の送り迎えもしてくれる実にいたれりつくせりの宿である。 飲んで食べて今日の山行を振り返って話に花を咲かせる。疲れているし明日も山に登るのであまり遅くならないうちに部屋に帰って休む事にする。部屋に帰って少し飲み直して早々と寝床に入ってぐっすりと休む。 5月9日日曜日 林道の脇に車を止めて、南登山道を登り始める。昨日と違って登山道もはっきりしており、多くの人が登っているので安心である。 大谷さんは若い女性に写真を頼まれて上機嫌。曽我さんも元気な様子だ。 標高が上がるに従って坂が急になり、振り返ると戸隠山と高妻山が立派にみえる。北アルプスも昨日よりもよく見えている。白馬岳のあたりは実によく見える。
西登山道と合流して程なく飯縄神社である。手を合わせてこの先尾根状の道を行くと飯縄山山頂である。大勢の人が景色を眺めたり食事をしたりしてのんびりと過ごしている。 林道まで戻って荷物をしまい、温泉に入りに向かう。
ここから車で下って何処か適当な場所でソバでも食べようと思ったがソバ屋がない。 ソバを食べた後は、2日間の思い出をお土産に須坂長野東ICから高速に乗って、拍子抜けするくらい空いている道をスイスイ走って帰途に着いた。 黒姫山は残雪に悩まされ、大変苦労の多い山だった。飯縄山は天気に恵まれ展望もよく、北信五岳に足跡を残すことが出来て、思い出に残る山行であった。 |
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