桧洞丸
山行記録  [ back ]

フリガナ ヒノキボラマル 
山域・山名 丹沢 桧洞丸 1601m 
日   時 1999(平成11)年5月30日(日) 
天   候  
行   程 登山口(7:06)−用木沢出合(7:54-8:05)−展望台(8:52-9:00)−檜洞丸(10:40-11:25)−展望台(12:39)−用木沢出合(13:16-13:51)−登山口(14:30) 
所 在 地 神奈川県足柄上郡山北町、津久井郡津久井町 
2.5万図 中川 
緯   度 35.2833 
経   度 139.0621 
備   考  


 5月の中旬から下旬にかけて、西丹沢の桧洞丸ではシロヤシオツツジが満開になる。
 かつては秘境と呼ばれたこの山も、現在では道路も良くなり登山道も整備されて、日帰り登山が楽しめるようになったので、特にこの時期は大変な賑わいである。

登山道は最後まで急登が続きます

 何年か前にいつも行っている床屋の人に話を聞いて以来、毎年計画は立てるのだが、実現しまいまま、今日まで数年が経過してしまった。
 聞いた話によると登りがかなりきついと言うので、花が咲いていなくては曽我さんにひんしゅくを買ってもいけないと思い、それなりに情報収集を心掛ける。
 
 曽我さんの車に乗って、西丹沢自然教室までやって来ると、まだ7時前だと言うのに駐車場は既に満杯。今日はここの山開きが8時からあるので西丹沢自然教室の駐車場はロープが張られていて入れない。
 下の方の道路にもビッシリ駐車しており、脇道に入って広くなった所に車を止めて支度をしていると、地元の人が通りかかり、ここはUターン場所だから駐車しちゃダメだ、登山口の上の方に止められるから早く行きなと言われて慌てて車に乗って上の方に行くと、登山口を過ぎた所に片側ズラッと駐車している車の間にスペースがあり、そこに車を止めた。
 さすがにこの時期の檜洞丸は人気抜群で、この周辺に駐車している台数はすさまじく、これからまだぞくぞくと駐車台数が増えることは確実のようだ。

 車道から登山道に入るとすぐに沢のように水が流れている。ここを少し進んで左に曲がると緩やかな登山道がしばらく続く。
 秋には黄色と赤で大変綺麗な紅葉が楽しめるくらいブナとモミジが植わっている。

ゴーラ沢出合

 今は新緑が大変すばらしく、緩やかな登山道が終わると明るく開けた河原に出て、ここがゴーラ沢出合だ。ここで休憩してこれから始まる急登にそなえる。

 この河原を横切ってコンクリートで出来た階段を登り始めると、両側から木の根が張り出したいきなりの急登である。木の根につかまって一歩一歩登っていく。ここから先は本当にかなりの急登である。

 途中展望台と書かれたところで一服して、山頂目指して遅いけれど確実に高度をあげていく。
 時々振り返って曽我さんと藤生さんを見ると下を向いて黙々と登ってくる。こういう時は休憩しようなどと声を掛けずにどちらかが休憩しようと言うまで黙って歩く方がいいと思い、あえて声も掛けずにもくもくと歩き続ける。

 ちょうど疲れが見え始めた頃、待望のシロヤシオツツジが姿を見せ始めた。
 曽我さんはザックからカメラを取り出して早速写真を撮り始める。この辺りに休憩用の椅子なのかテーブルなのか判らないが木で出来た物が設置されていて、ここにザックをおろして休憩しながらシロヤシオツツジを眺める。
 すると下から上半身裸でザックを背負った人が登って来た。この人これから大倉まで行くと言う。時計をチラッと見て「なに、夕方6時頃にはつきますよ」
と平然としている。そばにいた人が「失礼ですけどおいくつですか」と尋ねると、「74歳です」との答えが返って来て一同唖然。全く大した老人である。はやり人間実年齢じゃなく、肉体的精神的年齢って事なのかな。「それではお先に」と、足どりも軽く急登を登って行ってしまった。

深山幽谷の趣

 ここから先はシロヤシオツツジを見ながらの登りなので、精神的に楽な気がする。しかしシロヤシオの木は一杯あるが咲いている木と咲いていない木があり、やはり今年は不作なんだろうか。
 山頂に近づくにつれて花つきもよくなり、中には一杯花を付けている木もある。
 登山道も階段状になって、バイケイソウが沢山植わっている所は木道が敷かれ、この先立派な木の階段が付けられていてすぐ先が山頂であった。

 山頂は思った程混んでいない。木に覆われていて展望も効かず、写真を撮ってお湯を沸かしてお茶を入れておにぎりを食べる。
 我々の隣に来た人は山頂のすぐ下にある山小屋でビールを買って来て飲んでいる。
 「それいくらですか」と尋ねると「600円です」との答え。ヘェー350ミリの缶ビールが600円もするのか。それじゃクーラーボックスに一杯詰めて、この山頂で1本400円で売ればかなり儲かると思ったが、考えて見るといくら人が多くでも全員がビールを買ってくれる訳でもなし、売れ残ったら又持って帰らなくてはいけないので担ぎ揚げる苦労を考えると、まぁ600円もしょうがないかもしれませんな。

この木道を越えれば山頂です

 私ならどうしても山頂でビールが飲みたければ自分で凍らせて持ってきますけどね。
 しかしよく山頂でビールなんか飲むなといつも関心してしまう。私もかなりの酒好きだが、余程楽な行程で無い限りは飲まない。
 だって飲んだら歩くの嫌になっちゃいますもん。しかもここは檜洞丸ですよ。酒など飲んだら足下がふらついてころんじゃいます。えっそれってもしかしてただ酒が弱いだけじゃないかって。冗談じゃありません。弱いんじゃなくて少しの量じゃおさまらなくなってしまうんです。どうせ飲むなら徹底的に酔っぱらうまで飲まなくちゃ。
 だから熱い風呂に入った後に徹底的に飲む事に決めているんです。ハイ

 次から次へと登ってくる登山者で山頂もかなり賑わって来たので、そろそろ帰り支度をして犬越路に向かうか、元来た道を引き返すか検討した結果、元来た道を引き返すことにした。
 下山は下からぞくぞくと登って来る人がいるのでなかなか下れない。丁度山開きに参加した人達が登って来るので長蛇の列である。

シロヤシオツツジ

 この中に偶然曽我さんの知り合いがいて、挨拶を交わしている。
 列が途切れた所を見計らって下り、また立ち止まって列が途切れるのを待ってから下る事を繰り返す。登ってくる人はかなり苦しそうな表情の人ばかりだ。
 途中で藤生さんは、あえぎながら登ってくる人にすました顔して下って来てなんて言われ、確かに登って来る人からみたら下って行く人はかなり羨ましく思うかもしれない。
 しかしいい時に登ったものである。この人達が山頂に着いたら足の踏み場もないくらいの混雑なんじゃないかと思われる。

 ようやくゴーラ沢出合まで戻って来て、時間も早いのでここでお湯を沸かしてコーヒータイム。河原に腰を下ろしてゆっくりと一服する。

シロヤシオツツジ

 登山口まで戻って来るとタクシーはいかがですか、と声を掛けられた。この時期だけはここに待機しているそうで、松田まで8500円位だと言っていた。
 車に戻ってどこか温泉に入って行こうと探していると、町営「ぶなの湯」という看板がある。行ってみると駐車場は満杯、中も大混雑のようで諦めて出てくる。
 途中で曽我さんが知り合いのところに寄り込んで、蒼の山荘で入浴させてくれると教えてもらったので行ってみると、1人700円で内風呂と露天風呂があり、どちらも空いていて快適であった。

登りは多少きつかったが、シロヤシオツツジの花を見て、帰路はこの辺りの道路は曽我さんにおまかせありと、裏道を通って帰ってくる。 


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