伊吹山1
山行記録  [ back ]

フリガナ イブキサン 
山域・山名 伊吹山 1377m 
日   時 1999年7月19日(月)から7月20日(火) 
天   候  
行   程 7月19日月曜日
沼津IC(19:25)(東名)上郷曽我A(21:30)−関ヶ原IC(22:20)−山徳旅館(2:55)
7月20日火曜日
山徳旅館(8:40)−コンビニ−ゴンドラ乗り場(8:50)(ゴンドラ)三合目(9:10-20)   五合目(9:43-50) −八合目(10:32-38)−山頂(11:00-11:50)−五合目(12:57)−三合目(13:27)−ゴンドラ駐車場(13:36) 
所 在 地 滋賀県坂田郡伊吹町 
2.5万図 関ヶ原 
緯   度 35.2453 
経   度 136.2433 
備   考  


 色々な花が咲くことで有名な滋賀県の伊吹山、花の種類は1700種にも及び、石灰岩層により五合目以上は樹木が育たず山頂付近は草花類の見事なお花畑が広がっている、とガイドブックに載っている。

 会社が終わった後の出発になる為、大変慌ただしく出掛けていくことになる。今回は半泊をお願いしてあるので出来るだけ早く出発したいという事になっていた。
 大谷さんは間に合わないので会社まで迎えに来てほしいと連絡が入っており、集合場所に行くと丁度杉本さんが荷物を抱えてやって来た。その後から曽我さんがやってきたが、会社に肝心のカメラを忘れて来たと言うので取り合えず会社にカメラを取りに向かった。
 週末の金曜日という事もあって、道路は大渋滞で動かない。
 車の中から大谷さんに電話を入れて事情を説明し、遅れる事を伝えて渋滞を避ける為に裏道を走って会社に廻り、曽我さんがカメラを取りに行っている間に杉本さんが夕食の寿司を買いに行く。
 カメラを取って戻ってきた曽我さんと車内で待っていたが杉本さんがちっとも戻ってこない。ようやく戻ってきたと思ったら寿司屋の前で待っていたという。
 今日はどうも出だしから段取りが悪いようだ。
 車内で曽我さんと杉本さんに先に寿司を食べてもらう。曽我さんが寿司を開けると醤油が入っていないと言う。通り道なので寿司屋の前で止まって醤油を貰い、大谷さんを迎えに行った。

 今日は出だしからつまづいているが、沼津で東名に乗ってしまえば後はずーと高速道路なので楽である。
 途中で雨に降られたが気にせずに進み、浜松で運転を交代と言っていた杉本さんだが、浜松を過ぎても運転を代わろうとしない。どうやら浜松を過ぎたことに気が付いていないらしい。これはちょうどいい、気が付くまで黙っていると、音羽蒲郡の辺りでどうも変だと気が付いた。
 この先で運転を交代、養老を過ぎた辺りで宿に電話を入れ、関ヶ原で降りて伊吹山に向かって走っていくが、暗い夜道でコンビニなどなく、自動販売機で明日のジュースを買い込んで宿を探していると、暗い中にひときわ輝きをはなつ建物がポツンと建っている。よくみるとコンビニである。これはちょうど良かった、ここで行動食を買って宿の場所を教えて貰って山徳旅館に着いたのが23時頃である。

 いかにも人のよさそうな田舎のおばちゃんが出迎えてくれて、酔っぱらっていたら滑り落ちそうな急な階段を上がって部屋に入ると、ちゃんと布団が敷いてある。
 風呂には薬草が入れてあり、焦げ茶色した湯に浸かるとぷーんと薬草の臭いがする。
 風呂から上がってビールを貰うと、有り難いことにグラスまで冷やしておいてくれた。

ヒメシャジン

 杉本さんがずうずうしくつまみに漬け物がないかと言ったのでダイコンとナスの田舎漬けを出してくれたが、これが酸っぱくてなんとも言えないいい味で、特にナスはビールのつまみに最高である。コンビニで買ってきた酒を飲んで日付が替わる頃寝床に入る。

 翌日は8時頃の朝食なので7時過ぎまでゆっくりと寝ている。大谷さんは6時半頃には着替えを済ませてはりきっている様子。
 7時半過ぎに朝食を済ませて、宿帳を記入して下さいと言われてぺらぺらめくっていくと、みんな思い思いの事を書いている。宿帳と雑記帳を兼ねているみたいだ。
 伊吹山に登った事やスキーの事など実にさまざまなことが記入されている。私も住所と全員の名前を書いて、これから伊吹山に登ってきますと言うような事を書いた。

 清算を済ませて宿を出ると突然雨が降って来た。こりゃまいった。急いで車に荷物を積んで、昨日の夜に寄ったコンビニで傘を買って行く事にした。
 ポツポツ雨が降っているし、山頂付近は霧に覆われて見えないし、当初の計画では一合目から歩いて登る予定だったが、ゴンドラを利用して三合目迄行くことにした。これで往復2時間半は短縮できるはずである。

シモツケ

 1000円の駐車料金を払って車を止めて、支度をして、ゴンドラに乗って急な斜面を一気に三合目まで運んでもらう。冬の間はスキー場、夏はキャンプ場として営業しているので、このゴンドラは通年運行している。

 三合目に着くとユウスゲが黄色い蕾をたくさん付けている。相変わらず山頂付近は雲に覆われて見えないが、今の所カッパを着る程の雨も降っていないし傘をさすぼとの事もないようだ。
 スキー場の中を進んでリフト降り場の横を右に入っていくと登山道となっている。雨に濡れた石灰岩は滑りやすいので注意しながら進んでいく。天気は今一つだが人気のある山だけあって、多くの登山者が山頂目指して登っている。
 しばらく行くと休憩所があり、小屋が建っている。自動販売機もあって、ジュースやビールも売っている。

 この先も歩きやすい登山道で、なるほど五合目を過ぎると確かに大きな樹木は生えていない。ちょうど今日梅雨明けして青空の中を登ろうと思っていたので、暑さを予想してジュースと水をいっぱい持って来たけれどあまり必要はいなみたいだ。

 だんだんと色々な花が登山道の両脇に咲き始めている。残念ながら花の事に詳しくないので見ても名前がさっぱり判らない。白くて大きな花が目立っていたので近くにいる人に名前を聞いてみたがわからない。別の人にも聞いてみたがやっぱりわからない。ようやく判る人に出会えてシシウドであると教えてもらった。

 時々雨が降ってきて傘をさしたりしながら登って行くが、今日は藤生さんが不参加の為、全員が無口になりがちである。
 藤生さんは今度の土曜日にバスで山頂付近まで行って山頂の辺りを散策する計画を立てて、皆を引率して行く事になっていたので今回は不参加である。
 実を言うと藤生さんが前にこの計画を教えてくれたので我々も伊吹山に行こうと決めたのである。

 ジクザクに付けられた道を各合目の看板を目安に進み、八合目から岩場のような道となり山頂からの道と合流した所が九合目で、ここから頂上までは両側にロープが張られたお花畑の中を進んで行くようになっているが、霧であまり視界がきかず、花もあまり咲いていない。突然ザーと雨が降り出して慌てて傘をさして急いで山頂に向かって歩いて行く。

 山頂には何件か山小屋があり、ここは伊吹山ドライブウェイで来た観光客と登山者が入り乱れた状態で、観光客の人はカッパを着たり傘をさしたりしていたが、皆普段の洋服と靴で泥だらけになっている。
 山頂付近は工事が行われていて、重機が通った後に雨が降って道がぐちゃぐちゃの泥道状態であった。
 昼食の為に山頂の小屋に入って私はチャーシューメン、他の3人はざるそばを注文した。
 出てきたチャーシューメンは関西の影響だろうか、薄い色をしていてどうしても醤油を入れたかったけれど残念な事に醤油は置いてなかったので諦めてそのまま食べたが、なんだかチャーシュー塩ラーメンみたいな感じであった。
 小屋の中には土産物や花の本などが売っていて、曽我さんは花の本を立ち読みして時々花の名前をメモッている。
 厨房入り口の上に山頂のお花畑のずばらしい写真が貼ってあり、よく見るとお花畑と一緒に写っているのは西村智美である。美しい花と美しい女性、うーんいい写真である。写真の技術はもちろんだがやはり被写体も重要な要素である。

ホタルブクロ

 さて昼食を終えて、山頂で写真を撮って、散策路を一周して帰ろうかとも思ったがなんせ道がぐちゃぐちゃでつるつる滑って歩きにくいし、泥だらけになってしまうので、このまま元来た道を引き返した。
 山頂はついに晴れる事なく霧につつまれていて、花もなく、展望ももちろんだめであった。
 滋賀県の最高峰で晴れていれば美濃の山から白山まで見えて当然琵琶湖から鈴鹿山地まで見渡せるとガイドブックに書いてあるが、残念な事に周りは白一色でなにも見えない。

 下りは八合目あたりまで石が濡れていて滑るので慎重にゆっくりと下ってくる。お花畑で登ってくる団体の人にこれがイブキノエンドウですと説明している人がいて、覗いてみると確かにエンドウのつるに良く似たものに小さな花が咲いていた。
 時々登ってくる人に道を譲ったり花を撮ったりしながら歩いていると時々霧がはれて、下の方が開けて見えるがまた直ぐに霧で隠れてしまう。
 途中で曽我さんのカメラの調子がおかしくなってシャッターが切れなくなってしまった。

 最初に休んだ小屋のある所まできて休憩する。小屋のおばちゃんが外に出ていて、ここに泊まっているのかと聞くと普段は泊まっていないけどこれからはしばらく泊まっているといっていた。夜間に登る人も結構いるとかでそういう人達が利用するらしい。

 帰りも三合目からゴンドラに乗って降りてくる。ゴンドラから下を見おろすと住友大阪セメントの工場があり、そこから真っ直ぐに道路と田圃を横切って延々と砕石場までベルトコンベアーが設置されている。
 昨日の夜コンビニで道を聞いたときにベルトコンベアーをくぐってと言っていたので、一体何の為のベルトコンベアーなのかなと思っていたが、これが石灰石を運ぶ物だったことがようやくわかった。それにしてもゴンドラはらくちんである。あっと言う間に駐車場まで戻って来てしまった。

 あまり天気は良くなかったがそれでも結構汗をかいてびっしょりである。山の汗を流そうと向かったのが薬草の湯で、ここはセメント工場から出る廃熱を利用して湯を沸かしているそうで、大人1人300円とは又安い料金である。
 入り口では地元の人が野菜や薬草を販売している。中は結構混んでいて、洗い場が少ないのが混雑の原因のようだ。女性風呂の方は入り口で列をなして、順番待ちで入っているらしい。

イブキトラノオ

 関ヶ原から高速に乗って走っているとうなぎの話題が出たので、うなぎと言えば本場浜名湖でしょと、どうしても浜松で降りてうなぎを食べたくなってしまった。
 インターを出てすぐにうなぎ屋があったが、やっぱり路地を入ったところにあるうなぎ屋でないとダメだと看板を頼りに走って行くと、1件目はうなぎも寿司も天ぷらもという店でこういう店はいけません。やはり専門店でないとと2件目を探しているとありました、うなぎの専門店、車を店の横に着けるとなんと本日定休日、折角見付けたのにガッカリである。
 しかたがないので途中のガソリンスタンドで燃料を入れながら聞いて見ると場所は判るが旨いかどうかは判らないと言われ、いつもうなぎを食べている人の方が少ないので無理もないなと結局最初にあったインター近くのうなぎ屋に入った。
 ここで曽我さんに運転を代わってもらって、3人でビールを飲んでうなぎを食べる。
 まずくはないが、わざわざ浜松で降りて食べる程のこともないような感じで、これなら沼津や三島でも変わらない。

タカネナデシコ

 再び浜松から高速に乗って、20時前に到着した。とうとう梅雨は明けず、今年初めて山で雨に降られたが、まあまあ花も咲いていたしずっと高速なので3時間半もあれば行けるのでこんどは日帰りで挑戦してみることにした。

 参考までに曽我さんが小屋にあった本で調べた、今日見ることが出来た花をここに書いておこう。

 シモツケソウ・イブキトラノオ・カラマツソウ・カワラナデシコ・サワギク・
エゾフウロ・メタカラフウロ・ノリウツギ・イブキノエンドウ、そしてシシウド。


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