甲武信岳
山行記録  [ back ]

フリガナ コブシガタケ 
山域・山名 甲武信ヶ岳 2475m
日   時 2000年6月4日(日)−5日(月) 
天   候 晴れ 
行   程 6月4日(日)
沼津IC(17:35)−富士IC(17:45)−甲府南IC(18:50)−須玉IC(19:20)−清里仮眠(20:00)

6月5日(月)
清里(4:00-30)−信濃川上駅(5:00)−毛木平(5:30)
毛木平(5:45)−源流(9:00)−国師分岐(9:20)−山頂(9:55-10:15)−三宝山(10:40-58)−尻岩(11:20)−大山(12:33-45)−十文字小屋(13:05-50)−毛木平(15:05)
毛木平(15:15)−高根の湯(16:20-50)−ソバ屋(17:00-35)−須玉IC(17:37)−甲府南
(17:58)−富士IC(19:10)−沼津IC(19:25) 

 
所 在 地 長野県南佐久郡川上村・山梨県東山梨郡三富村・埼玉県秩父郡大滝村 
2.5万図 金峰山 
緯   度 35.5421 
経   度 138.4355 
備   考  


 食料の調達に寄ったコンビニの横にラーメン屋がある。真っ暗な登山口で冷めたコンビニのつまみとビールより、熱々の餃子と冷えたビールの誘惑にはとても勝てそうになく、うーんとしばらく考え込んで食料調達はやめてもう少し登山口の近くにラーメン屋がないか探そうと再び走り始めた。

野辺山付近から見た早朝の八ヶ岳

 野辺山まで行って見たが、どうもこれ以上行っても無さそうなので、再び引き返して適当なラーメン屋に入って早速餃子をつまみにビールを飲んでしまう。
 そんな訳でそのままラーメン屋の駐車場で寝る事になってしまった。

 夜中の3時半に起きてコンビニで食料を仕入れ、登山口に向けて再び出発した。
 野辺山まで来ると朝日に輝く八ヶ岳の姿に、思わず車を止めて写真を撮った。写真を撮るほんのわずかの時間、外にいただけでとても寒い。温度を見ると1度である。真冬なみの気温じゃないか。

毛木平の駐車場

 信濃川上駅でトイレに寄って毛木平の登山口に入って行くと、高原野菜のレタスがまるで緑色のじゅうたんを敷き詰めたように広々とした畑一面に植えられ、朝早くから忙しそうに農家の人が作業に追われている。

 登山口の駐車場は以前来た時よりも広くなっていて、トイレも設置されている。出来たばかりらしく、木の香りがしてとても清潔だ。
 平日と朝早いと言う事もあってか、車はそれ程止まっていない。

 しばらく林道を歩いて十文字峠へのコースを見送って源流コースへと入って行く。
 この時期としてはぬけるような青空が広がり、時間が早いので空気も冷たくて歩くのに汗をかかずにすんでいる。

千曲川の流れ

 登山道は千曲川に沿って伸びており、ずっと川の音を聞きながらの登りである。木々の新緑が目にやさしくて、思いきり深呼吸をすると春の臭いが体中に充満してくるようだ。
 登るにつれてだんだんと木々が生い茂り、奥秩父らしい落ち着きのあるしぶい山らしくなってきた。

登山道は神秘的な森のようだ

 川幅がだんだんと狭くなり、やがて千曲川水源標柱の場所に着く。ここが千曲川の源流なのか。覗いてみたが水は流れていない。ここの一滴から千曲川が始まり信濃川と合流してやがて日本海にそそいでいるのだろうか。
 ややきつい傾斜を登りきると尾根に出た。右に行けば国師ガ岳、左が甲武信ヶ岳への道である。
 ここまでゆっくりだが、ろくに休憩も取らずにもくもくと歩いて来た。ちょっとザックをおろして水分を補給する。

 山頂までは最後の急斜面をもう一頑張りだ。この辺りまで来るとシャクナゲの木があるが、残念ながら一輪も咲いていない。

 ようやく着いた山頂からの展望は、遠く南ア・中央ア・北アと白い山並みが続き、手前に金峰山、瑞牆山、もちろん大きな八ヶ岳、天狗山、男山、御座山、浅間山、反対側には新潟方面の山が白い姿を見せている。この時期にこれだけの景色が見えたのは実に運が良かったようだ。
 記念写真を撮って山頂にいた人に十文字小屋付近のシャクナゲの様子を聞いてみると、今がちょうど見頃を迎えていると言う。

甲武信岳山頂にて


 今日は来た道を往復しようと考えていたが、この一言で時間も早いし前回十文字峠に来た時は全くの不作だったので距離は長いが杉本氏と2人だけなので、なんとかなるだろうと十文字峠を目指して下る事に予定を変更してしまう。

 濡れて滑りやすい道を一気に下り始めたが、道はやがて登りとなり、途端にペースダウンしてしまう。
 三宝山山頂に着いたら何だか腹が減ったので休憩しながらおにぎりを食べて、気を取り直して樹林の中を行くと尻岩と書かれた標識がある。
 ここから又しても急斜面が現れ、なかなか勘弁してくれそうもなく、ただもくもくと歩くのみ。

武信白岩山


 鎖場が現れて右に岩がゴツゴツした武信白岩山がもっこりとした姿を見せている。度重なる落雷で岩がもろくなっているので立入禁止のロープが張られていて残念ながら登る事は出来ない。

登り下りの連続に、いい加減うんざりしていたところで大山に到着した。ここでようやくお目当てのシャクナゲが咲いている姿を目にすることが出来た。
 ところでさっきからハエがぶんぶんうるさく飛び回っている。よく見ると山頂にうんこをした輩がいるのだ。しかもまだ新しく強烈な臭いを発している。これはまいったと少し離れた場所に移動したが、相変わらずハエの飛び回る音がうるさくてかなわない。うんこをするなとは言わないがもう少し場所をわきまえて貰いたいものだ。

甲武信岳山頂からの眺め

綺麗なシャクナゲに囲まれた十文字小屋

 水を飲みながら今日最後の展望を惜しみなく眺め、もう登りはないだろうと大山を後にした。

 鎖場を通過し再び樹林帯の中をゆるやかに下って行く。この頃からだんだんと足が痛くなってきた。膝の外側が曲げる度にズキンと痛む。おまけに足の裏もなんだか痛くてしょうがない。
 我慢しながら歩いていたが、ようやく木々の間から十文字小屋の屋根が見えて来た。まったくやれやれである。



小屋に着くとシャクナゲが綺麗に咲いている。何枚か写真を撮っていると小屋のおばさんが、今年は今が盛りだと言っている。
1月からあまり雨が降らないので全体的に花は小さめで、咲いてもすぐにダメになってしまうんだとか。今朝の温度は2度、日中は真夏なみの暑さでどうもおかしいと嘆いていた。


 この先カモシカ展望台のところに少ないが咲いていると言っていたので、どうせならと往復20分かけてシャクナゲを見に行ってくる。

 前回来た時は本当に何も咲いていなくて、小屋のおじさんがシャクナゲは毎年咲くものだと思っていたがこんな年は無いと言っていたほど酷かっただけに今回は綺麗に咲いている姿を見ることが出来たのでこのコースを選んで正解だった。

 ここで終わりなら言うこと無しだが、駐車場まではまだ1時間半近くかかりそうだ。さあ最後の一踏ん張りと痛い足にむち打ちながら急斜面を下り、沢の音が聞こえて来ると残りはあと僅かである。


 沢を渡ってしばらく行くと千曲川に出て、そこから林道を歩き9時間20分の山歩きがようやく終わって今度こそ本当にやれやれである。

 帰りは高根町にある「高根の湯」でゆっくりと温泉に入り、ソバを食べて冷たいビールをグィと最高でした。運転手の杉本さんごめんなさい。 


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