日向山
山行記録  [ back ]

フリガナ ヒナタヤマ 
山域・山名 日向山 1660m
日   時 2000年11月11日(土) 
天   候 晴れ 
行   程 登山口(7:00)[林道] 錦滝(7:40-8:05)−山頂(9:15-45)−登山口(10:50) 
所 在 地 山梨県北巨摩郡白州町 
2.5万図 長坂上条 
緯   度 35.4757 
経   度 138.1628 
備   考 登山口及び山にはトイレは無い。
登山口周辺には駐車場は無く、林道の脇に駐車するしか無いが、そんなに台数は駐車出来ない。
携帯電話(NTTDoCoMo、J-phone)ほぼ全山で使用可能。
白州・尾白の森名水公園
〒408-0315 山梨県北巨摩郡白州町白須8056 電話0551-35-4411 fax0551-35-4412
 


 久し振りに山に行く。今回は山梨県白州町にある「日向山」に行って来た。
晩秋の登山口
 2ヶ月も山に行かないなど近年ちょっと記憶に無いが、9月10月と天候が安定せず、11月に入っても秋晴れが続く事がない。最近天気がちょっとおかしい気がする。
 もう一つ気がかりなのが天気予報だ。なんだかちっともあたらないような気がする。もともと週間天気など、はなからあてにはしていないが、それにしてもひどすぎるんじゃないかと思っているのは私だけ?
 そんな訳で天気を心配していたがどうやら心配はなさそうだ。

 会社から帰って荷物を車に積み込んで週末の金曜日で渋滞している中を沼津ICへと向かった。

今日はこちらの登山口に下山

 山梨県白州町は沼津からだとルート取りに悩む場所にある。登山口で寝てもいいのだがどこか良い場所があればそこで適当に寝てしまった方がいいだろうと20号線沿いに道の駅が無いか、朝霧の道の駅で調べる事にした。
 ところが既に店は閉まっており、残念ながらその手の資料は手に入らない。仕方がないのでトイレに寄って、カーナビで探してみたが見つからない。出たとこ勝負ということで朝霧の道の駅を出発した。

 甲府までやって来て中央高速にのらずに20号線を行く事で意見がまとまり、カーナビの案内に任せて走っていると、これがトンチンカンな案内をし始める。

もみじがいい色をしています

 20号線をくぐってなおも直進の指示を出すのである。わざわざ甲府駅の繁華街を通ってぐるっと回り込むようなルートになっている。時々訳の分からないルートを表示するのでカーナビにも注意が必要である。おまけに市内は夜だというのに道路工事をやっていて渋滞している。
 ようやく20号線に合流したが思わぬ所で30分の遅れをとってしまった。20号線も最初のうちは調子よく走れたがここでも夜間の道路工事で渋滞につかまってしまう。やはり時は金なりで、高速を使うにかぎるのである。
 ようやく渋滞を抜け出してコンビニを探す。酒を売っている店を探して酒とつまみと朝昼食を買い込んで、どこかいい仮眠場所はないものかと辺りをきょろきょろ見回しながら走ったが、道の駅も適当に広い公園も無い。こうなったら登山口まで行くしか無いと20号線を左折する。

山肌は黄葉

 左折して間もなくカーナビは意に反して許可もなく案内を終了してしまった。林道のように狭い道は案内されないのだ。停止中には地図上に表示されている林道も走り始めると地図から消えてしまう。
 これは細い路地などにむやみの車が入り込まない為の措置らしいが、山の場合にはこれではちょっと不便なので、都市部はこういう設定でもいいが山間部は解除されるようには出来ないものかと何時も思うんだよね。
 カーナビが使えないんじゃ自分で探すしかなく、真っ暗な道をフォグランプを4つ点灯させて、看板を頼りに登山口を目指す。全体的には舗装された道でかなり奥まで民家が建っている。山奥に進むに連れて道幅が狭まり、とても車の擦れ違いは出来ない道となりやがて日向山登山口と書かれた標識のある場所に着いた。

休憩舎もある錦滝

 いつも同じような酔狂な考え方の人がいるものだが、今日はだれもいない。
 静まり返った山奥で、どこでもお好きにどうぞと言うことで、車の向きを変えて駐車した。木に囲まれていて展望は無いが、木々の間から光輝く星空が見えている。明日の天気はよさそうだ。車の外にいてもそれほど寒くはない。

 時間も遅いので早速一杯飲んで仮眠の態勢に入る。

 目を覚ますとちょうど木々の間から朝日が昇るところである。ちょっとひんやりとしているが天気は良さそうだ。風が吹くと上から枯れ葉が雨のようにバラバラと落ちてくる。外でお湯を沸かして素早く朝食を済ませ、出発の支度をする。

山頂付近は白州の名が分かるように雪のように白い砂

 今日は急坂を登りにとるコースにしたので、登山道を見送ってそのまま林道を歩いて行く。車を止めた場所の直ぐ上にゲートがありこれより先には車で入れない。空を見上げると抜けるような秋の青空が広がっている。
 しばらくはこの林道を歩く事になる。ぶらぶら歩いていると前方に何かがいる。それはあっと言う間に急斜面を駆け登って行く。カモシカである。写真に収めようとカメラを出したが岩と同じような色をしていてはっきり撮る事が出来なかった。
 林道はまだ続いているが今度は林道を何かが横切った。猿である。猿なら自宅の近所にも時々出没するので別にどうと言うことも無いが、かなりの群でここのサルはかなりでかい。おまけにキッキッキッキーと威嚇なのか、仲間に対する警告なのか判らないが大きな鳴き声を出している。こう言う時は知らんぷりするに限る。何も無かったような顔をしてその場を通り過ぎた。
 紅葉は既に遅く大部分は枯れ葉となり、林道に積もった枯れ葉をサクサク踏みしめながら歩いて行く。中にはまだ赤く紅葉しているもみじもあり、青空と赤い葉の色合いがすばらしい。

山頂が雲に覆われた甲斐駒ヶ岳

 この先で工事箇所がありそこを過ぎるとまもなく錦滝である。ここには休憩舎もあり、取り合えずトイレ休憩を取る。
 林道はこの先まで延びていて、左に進んで行けば尾白川渓谷を散策出来るらしいが、ここから右の登山道に入って行く。
 最初からいきなりの急登である。それもかなり急である。しばらくこの急な登りが続いている。
 ようやく急登が終わって尾根道に出た所で休憩を取っていると、今日最初の登山者と出会った。登山口から登ってこちらに下山してきたのだとか。山頂付近はかなり風が強くて寒いと教えてもらってお互いにすれ違う。
 この先で日向山の特徴である白い斜面が現れた。本当に雪渓のように白い。この斜面を登り切ると甲斐駒ヶ岳の姿が見える。山頂付近は雲に覆われていてすっきりとは見えないがかなりの迫力がある。ちょっと逆光ぎみに鳳凰三山の地蔵岳も見える。
 山頂付近から下山してくる登山者が言うにはやはり山頂付近はかなり風が強いようだ。山頂手間でヤッケを着て山頂に向かった。

 山頂からはデンと八ヶ岳が見えているがやはり山頂部分に雲がかかっているのが残念であるが、山麓まで見渡せてよい眺めである。何枚か写真を撮って、風が強いので樹林の中で休憩をすることにした。
 出発が早かったので昼にはまだ時間が有りすぎる。山頂で鍋焼きうどんを食べようと重たい思いをして担いできたが、湯を沸かしてインスタントコーヒーを飲みながらしばらく休憩していた。
 昼食は下山してからと言うことで山頂を後にした。木々に覆われた歩きやすい登山道を下って行く。

日向山頂にて


 こちらを登って来れば楽なのだが、あの急登を下りに使うのは大変である。
 山頂付近は葉が既に落ちきってしまった木ばかりだったが、だんだんと下るに従って紅葉している木が多少ではあるが増えて来る。こちらでも何枚か写真を撮りながら歩いて来る。
 登りの時は朝早かったのであまり人に会わなかったが、下山の時にはかなりの人とすれ違った。最近人気の山だけの事はある。
 これじゃ登山口はどうなっていることやらと思案しながら登山口に着くと、案の定所狭しと駐車されている。

 出発時には2台だけだったのが嘘のようだ。車に荷物を積んでいる間にもタクシーで来る人、自家用車で来る人が入り乱れ状態で、私の大きな車を出すのに一苦労してしまう。
 ようやく登山口を出て林道を下り何処かで昼食と入浴する場所は無いだろうかと探しながら名水公園に行ってみた。
 入場料1人200円で午後からなら風呂にも入れると言うので入って見たが風があってちょっと寒かったので外は散策せずに、ここのレストランで昼食にした。

麓付近からみた八ヶ岳

 風呂の時間まではたっぷりあるしとつまみとビール、熱燗を注文する。出てきた熱燗が予想以上に大きくて酔っぱらってしまう。
 風呂は1人300円である。温泉ではないが露天風呂もあり、何と言っても一番風呂と言うのがうれしいじゃないか。
 風呂から出るとキャンプ場の看板が出ている。ここにはキャンプをする場所もあるらしい。最近山だけじゃなくてキャンプにも首を突っ込んでいるのでちょっと気になったが下見はせずに車に戻った。
 まだ一杯気分も抜けきれず昼寝をしてから帰ろうと車の中で1時間くらい昼寝をして名水公園を出発した。

 帰りは須玉から中央高速に乗り一宮御坂で降りたのだが、御坂トンネルの先、河口湖の手前から渋滞にはまってしまう。
 だらだらと進む中を反対車線からこちら側に向かってねこに大和芋を一杯積んだおじいさんが渡れないで困っていた。。
 しばらく止まって道をあけて待っていてあげたら渡り終えたそのおじいさんは、おもむろに芋を掴んで差し出した。慌てて窓を開けるとお礼にくれると言う。やはり人には親切にするものである。
 渋滞は東富士五湖手前まで続き、須走ICから又も若干渋滞、沼津ICを出てなおも渋滞の中を何とか無事に帰って来た。
 紅葉には少し遅かったが、秋の青空の下、晩秋の日向山は予想していた通りいい山であった。


[ back ]