箱根旧街道
山行記録  [ back ]

フリガナ ハコネキュウカイドウ
山域・山名 箱根旧街道(箱根湯本−三島大社) 
日   時 2001年11月11日(日) 
天   候 晴れ 
行   程 箱根湯本駅(7:45)−早雲公園(8:00)−須雲川自然探勝歩道(9:10)−畑宿(9:50)−甘酒茶屋(11:00)−元箱根(12:00-13:12)−道の駅(13:55)−箱根峠(14:08)−山中城址(15:20-30)−三島大社(17:30) 
所 在 地  
2.5万図  
緯   度  
経   度  
備   考  


 秋晴れの中、箱根旧街道を歩いて来た。箱根湯本を基点に三島大社まで箱根八里(32Km)のコースである。
 小田原側の東坂はよく知られた人気コースだが三島側(西坂)にも旧街道は存在する。当時の旅人と同じように1日で箱根を越えてみようと思っている。

 今日は大谷さんの奥さんも参加している。私も長男を一緒に連れて来た。
 小田原駅で箱根登山鉄道に乗り換えて箱根湯本駅で降りると曽我さんのキップが見つからない。どこかで落としたらしい。皆が一緒だったので駅員に事情を話すと料金を取らずそのまま通してくれた。
起点となる箱根登山鉄道箱根湯本駅

 湯本駅の地下道を通ってそのまま早川にかかるほまれ橋を渡り早雲公園の中に進んで行く。最初から階段上の登りはチョットキツイ。
 早雲公園の中を通り抜けると早雲寺がある。大永元年(1521年)北条氏綱が、父親の北条早雲庵宗瑞の遺命により建てた名刹である。
 この先で再び一般道に出て、途中のコンビニで昼食を買い、一般車が直ぐ脇を通り抜ける狭くて歩道の無い道を、轢かれないように気を使いながら歩いて行くと国指定史跡の石畳の看板が目に入る。255mくらいだが右側に当時の石畳が残っている。折角なのでこの石畳を通り、再び一般車に気を使いながら車道をてくてくと歩く。
 右側に躄勝五郎と初花の墓がある鎖雲寺の大きな絵が書かれた看板がある。早雲寺にしても鎖雲寺にしても立ち寄って中をじっくりと見学してみたいが、今日はとてもそんな余裕はない。残念だが諦めて先を急ぐ。

 ようやく左側に須雲川自然探勝道の看板が現れてここから車道を離れて山道に入っていく。すると山の中からドンドンと太鼓を叩く音が聞こえてくる。
須雲川を渡って反対側へ

 山の中で祭りでもやっているのだろうか、その内に変な歌みたいなものまで聞こえて来た。杉林の薄暗い中でちょっと不気味な感じだ。その声がだんだんと大きくなってくるとフェンス越しにキラキラしたものがいっぱい飾られている様子が見える。
 須雲川に架けられた木橋を滑らないように渡って反対側に行くと巨大な大仏まであることに気がつく。この施設は何処かの宗教団体らしい。

 一旦一般道に出て直ぐに山道に入ると江戸時代そのままの石畳があり、この先にも150mくらいだが国指定史跡の石畳が残っている。

 畑宿まで来ると箱根細工の店が点在している。息子が今寄木細工について学校で勉強していると言うが寄木細工などとても高くて買えたもんじゃない。店の前にあった木っ端(一つ50円)を4個程買ってやり、どういう材質であるかを見るにはこれで十分であるとお茶を濁してその場を取り繕う。
 畑宿のバス停を左に入って行くと一理塚がある。江戸から23里と書かれた看板もある。この一里塚は歩く人の目安となるように一里ごとに作ったのだそうだ。
東海道中唯一その形態を留める畑宿の一里塚
一理塚の真ん中に石畳が続いている

 道は七曲にさしかかり、歩道にでたり旧道を歩いたりと箱根新道と複雑に重なって坂も急になって来た。この辺が一番の難所なのである。
 一旦歩道を渡って反対側に出たあたりで大谷さんの奥さんはちょうど来たバスに乗り一足先に元箱根へと向かう事になった。
 甘酒茶屋で一服しようと思っていたら休日の為観光客でごった返していてとてもゆっくりと休めそうもなく、そのまま通り過ぎて車道を歩いて行く。
箱根では超有名な甘酒茶屋。休日で大混雑でした

 この先で車道と分かれて石畳の道に入って行くと着物姿の女性が立っている。東海道400年祭のイベントとしてスタンプラリーが開催されていて、その一環らしい。
 そういえば今日はここまで一度も富士山の姿を見ていない。湯本から登って来ると元箱根までは富士山が見えないのである。
 木立の中の石畳を元箱根方面に歩いて行くと今度は侍の格好をした男性が立っている。折角だからと息子を横に立たせて記念写真を撮った。

 石畳は前日の雨で濡れていて滑りやすくなっている。藁草鞋だと滑らないのだろうか?
前日の雨で濡れて滑りやすい石畳

 この坂を下れば元箱根というところまで来て、曽我さんが折角だから逆さ富士の方へ行ってみようと言うのでちょっと回り道をして行くと、やがて青空の下に真っ白な雪をかぶった富士山と眼下には芦ノ湖があらわれた。
 なんとよい眺めだろう。ちょっと開けた場所では数人の人が絵を書いている。
 このちょっと先が一番のポイントだと教えられて行ってみるとジャバラ式のカメラを据えた人がいる。
 ここから眺める富士山は確かに素晴らしい。一般道からちょっと入っているので穴場的存在である。タクシーで観光している人がタクシーの運転手に連れられて大勢やって来ていた。
元箱根から富士山を眺めるにはここが一番

 ようやく元箱根に到着、今日の行程の半分だ。取り合えず大谷さんの奥さんを探す為にバスターミナルの方へ行くと椅子に座って待っていた。
 全員そろって湖畔を歩いて恩賜公園へと向かう。湖畔では絵を書く人、写真を撮る人、釣りをする人たちがそれぞれの休日を楽しんでいる。恩賜公園のベンチでようやく昼食、今日は風もなく天気もいいので暖かくてありがたい。
観光スポットの一つ 箱根関所跡

 昼食を終えて今度は三島に向って歩きはじめる。湯本を出て既に五時間以上も経過しているのにまだ半分しか消化していない。道中はまだまだ長い。
 観光客で混雑する関所跡を抜けてバスで帰る大谷さんの奥さんとわかれて、車で大渋滞となっている脇を歩いて箱根峠を目指す。
 途中から左に入って行くと道の駅のすぐ上に出た。一旦道の駅まで戻って駒ケ岳を写真に納めた。
道の駅から見た芦ノ湖と駒ヶ岳

車は相変わらずの渋滞で箱根峠を過ぎてなおもその列は続いている。
 箱根峠から芦ノ湖カントリー方面に向うと旧街道の入口がある。すぐ脇を国道が通っているので車のエンジン音がとてもうるさい。
箱根峠から三島方面に向かって下る道

 国道に出たり、又旧街道に入ったりしながら下ってくるとソバ屋があった。ダンゴでも食べようかと中を覗いたら結構込み合っている。壁に書かれたダンゴの値段は何と1200円、何も言わずにその場をあとにした。
 ようやく中山城址までくるとここにもダンゴがある。中に入ってみると300円と書いてある。実にリーズナブルな値段に全員で注文をしてダンゴを食べた。
下る途中で見つけたリンドウの花

 ダンゴを食べたのはいいがまだ全行程の3分1が残っている。この辺りまでくると両側に畑が広がってくる。息子に野菜の名前を聞いてみるとトンチンカンな答えだ。これは何、これは何と野菜の名前を教えながら歩いてくる。
 今の時期は日が落ちるのも早く既に太陽は西に大きく傾いている。国道沿いの松並木沿いまで来ると既に周辺は暗くなってしまった。
 やはり箱根湯本から32Kmは尋常な距離ではなさそうだ。三島市内のネオンを見ながら行灯に火が燈された三島大社に着いたのは湯本を出発してから約10時間後の事である。 鳥居の前で息子と並んで写真を撮って、なおも三島駅まで歩き家路の途についた。
ようやく三島大社に到着。お疲れさん!

大谷さんの奥さんはちょっと残念だったが、曽我さん、大谷さん、藤生さん、そして息子とも、よく歩き通したものだ。今日の歩数はゆうに50000歩を超えている事は言うまでも無い。
 次は東海道五十三次に挑戦・・・・おい!おい! 

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