山行記録 |
フリガナ | タテヤマレンポウ ツルギダケ |
山域・山名 | 立山連峰 立山(雄山)〜大汝山〜真砂岳〜別山〜剱岳(2999m) |
日 時 | 2005年8月16日(火)〜17日(水) |
天 候 | 晴れ |
行 程 | 8月16日(火) 扇沢(5:40−7:30)−室堂(9:25−9:38)−一ノ越山荘(10:30)−雄山(11:15)−大汝山(11:45−12:05)−別山(13:30)−剱御前小屋(14:00)−剣山荘(15:00) 8月17日(水) 剣山荘(4:00)−前剣(5:00)−剱岳(6:20−30)−前剱(7:28)−一服剱(8:03)−剣山荘(8:20−8:52)−剱御前小屋(10:03)−雷鳥平(10:53)−雷鳥荘(11:20−50)−室堂(12:25)−扇沢(14:20) |
所 在 地 | 富山県中新川郡上一町 中新川郡立山町 |
2.5万図 | 劔岳(ツルギダケ) |
緯 度 | 36.3713 |
経 度 | 137.3713 |
備 考 |
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山行記録詳細 | 登山ルート立体図 | 登山ルート地図 | 展望図 |
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真夜中に家を出て黒部立山アルペンルートの玄関口扇沢へとやって来ました。時間は朝の5時40分、出発準備をして駅に向かうと発券売り場には既に並んでいる人たちがいました。発券時間まで1時間近くありますが、列がどんどん伸びそうなので辛抱強く並んで待つ待つ事にしました。
扇沢駅から室堂まではまず扇沢駅でトロリーバスに乗り黒部ダムへと向かいます。 黒部ダムで下車したら約10分程歩いて黒部湖に向かい、そこからケーブルカーに乗って黒部平へと進みます。
黒部平に着くとロープウェイの時間まで40分程ありました。ここで外に出て景色を眺めたり、朝が早かったのでカケソバを注文して時間を潰します。 黒部平からロープウエィに乗って大観峰へ向かい、大観峰から再びトロリーバスに乗り換えてようやく室堂に到着です。ここまでの所用時間2時間、登山の時にこういう公共機関を使うのは混雑状況で時間が全く違って来ますので要注意です。 無事の室堂に着いて外にでると天気はまずまずのようです。ここ1週間程ずっと荒れた天気で今日久しぶりに太陽が顔をだしたそうです。何だかツイているようです。
日差しが強いのでしっかりと日焼け止めを塗って出発しました。 今回の行程は室堂から立山〜大汝山〜別山と縦走して剱岳に向かう予定です。
室堂から一ノ越に向かって緩やかに伸びているように見える登山道ですが歩いてみると結構急なので最初から寝不足と乗り物疲れの体にはキツイです。
これから歩く稜線沿いは雲がたれ込めていてはっきりとは見えません。
室堂周辺に咲く花 結構キツイ斜面を登ってようやく一ノ越に到着しました。あっと言う間に標高は2700mに達していました。どうりで疲れる訳です。
一ノ越でちょっと休んでガレた急な登山道を立山に向かって進みます。風の通り道になっている為か立ち止まっていると半袖ではとても寒くていられません。 滑りやすい登山道をただもくもくと上に向かって歩を進めて行きます。
立山(雄山)の山頂には神社がありました。昔から宗教登山として有名な立山だけの事はあります。
このちょっと盛り上がった所が標高3003m雄山山頂です。但し登るには500円支払う必要があります。
立山の次は大汝山に向かいます。
立山から大汝山にかけての登山道の様子です。完全に岩場の登山道です。ここから室堂方面を眺めると突然ガズが湧いて何も見えなくなったかと思うとパッと急に晴れて良く見えるようになったりと目まぐるしく天候が変化しています。 一瞬の隙を狙ってカメラのシャッターを切ります。
大汝山頂からみた黒部ダムと黒部湖です。今朝方このダムを歩いてロープウェイに乗りました。ロープウェイの黒部平駅も良く見えています。
大汝山をちょっと下ったところにある大汝休憩所。飲み物や食べ物も売っています。入口のベンチに腰掛けておにぎりとパンを食べてそそくさと出発しました。
ここが富士の折立の山頂のようですが登らずに通過しました。
ここから一旦下って登り返すと真砂岳のようですが、どうやら山頂を通り過ぎてしまったようです。 真砂岳山頂には標識があったのかな・・・・・・?
真砂岳から別山方面を見た所です。まだ残雪が豊富です。このまま万年雪になってしまうかもしれませんね。 この先別山山頂を通らずに進む巻道と別山山頂への直登ルートが分岐していますが、折角なので別山山頂を経由する直登ルートをとる事にしました。
直登ルートをもくもくと登ってようやく別山に到着しました。 祠がありプレートもあったので、祠の前でプレートを持って記念撮影しました。
別山から一旦下って剱御前小屋へと向かいます。 この登山道のむこうに剱御前小屋があります。 剱御前小屋手前まで来ると眼下に剣山荘が見えて来ました。今日はあの山荘までの予定です。 小屋の向こうには雲に隠れた剱岳が山腹の様子だけ見えています。 これだけでも結構迫力があるものです。
剣御前小屋に到着。立派なバイオトイレがありました。ここから雷鳥平を経て室堂に下るルートがあります。明日はここから室堂に下山予定です。 剱岳方面へはここから剣山荘へ向かうルート剣沢小屋へ向かうルートがあります。テント泊をする方は剱沢小屋へ、我々は剱山荘へと向かいます。 ここから剣山荘までは一気に下って行きます。
剣山荘へ向かって下り始めると急に雲の切れ間から剱岳がその異様な山容を見せ始めました。 まさに何人も寄せ付けないような迫力があります。 ここから見る限りでは本当に登れるのかちょっと不安になってきます。
室堂を出発してから約6時間、ようやく本日の宿泊地剣山荘に到着しました。 受付を済ませて、部屋に通されると上下2段の16人部屋でした。 今日は空いていたらしくこの部屋に6人だけとかなりガラガラで助かりました。 明日は4時出発なので朝食は弁当をお願いし、サブザックに荷物を入れ替えて明日の準備を済ませると、ちょうど風呂が沸いたとアナウンスがありました。当然、シャンプーも石鹸も使えない、烏の行水程度ですが、汗を洗い流して浴槽につかれただけでも大変ありがたかったです。 風呂に入ってさっぱりしたところで夕食まで時間があったので談話室に向かい生ビールを注文しました。気が利く事に冷蔵庫で冷やしたジョッキに生ビールを注いでくれてまさに気分は「最高」です。 グビグビと飲み干してしまい、当然この程度では足りる訳が無く、しっかりと持参した日本酒を注いでさらに飲みました。 だいぶ気分良くなってきたところで夕食のアナウンスがありました。山小屋ですからあまり豪華な食事ではありませんが、ご飯はとても美味しかったです。 夕食後再び談話室に行って日本酒を飲みながら弁当が出来るまでテレビを見て待っていました。 弁当を受け取ると時間はまだ19時ですが、やることも無いので布団に入って寝てしまいました。 こうして第1日目は無事に終了です。 2日目は朝3時30分に起床して菓子パンを食べてヘッドライトをつけて小屋の外に出ました。夜明け前の空を見上げるとそこには満天に輝く星が私の視界一杯に覆っています。とても素晴らしい星空をしばらく眺めて、ヘッドライトを点灯して剱岳に向かって出発しました。 出発してほどなくパチッと急にライトが消えてしまいました。おや?電池切れか?こんな事もあろうかと予備の電池を持ってきたので取り換えてみましたがどうしたことか点きません。 もしかして電球が切れたのか?と開けてみるとやはり電球が切れて黒くなっています。これじゃここで明るくなるまで待たなくちゃいけなくなってしまうのでちょっと焦りましたが、よくみると予備の電球が付いていました。まさか電球が切れるなんて予想してませんでしたからこれには大変助かりました。 一服剱を過ぎるとだんだんと明るくなって来て前剱まで来て夜が明けました。前剱からみた剱岳はなお一層迫力を増して見えます。
前剱を過ぎるといよいよ岩場と鎖場の連続です。ちょっとした油断が大怪我に繋がりますので両手両足をふるに使って慎重に通過して行きます。
鎖場の通過ルートは登りルートと下りルートが分かれています。登りの最難関がここ「カニノタテバイ」です。
緊張する鎖場をやっと通過するとあとは山頂までガレ場を登って行くのみです。山頂にある祠が見えています。もうすぐそこまでやって来ました。
小屋を出発してから2時間20分、念願の剱岳山頂に着きました。本日最初の登頂者となったようです。真っ青な青空と360度と展望が欲しいままです。
新田次郎著「劔岳 点の記」を読んで一度は登って見たかった山。この小説の中にこんなくだりが書かれている。 明治年間に日本の山のほとんどが陸地測量隊によって初登頂がなされ、そして最後に残された山は、弘法大使がワラジ3000足を使っても登れなかったと言う劔岳。 その最後の山に日本山岳会の小島鳥水が初登頂するというので、山岳会より先に測量隊の旗を立てなければ陸地測量部の恥であると言うことから、剱岳登頂を命じられた測量官柴崎が未踏の山「剱岳」に挑戦することになった。 しかし、そう簡単に登れるはずも無く、何度もの挫折を乗り越え、決死の覚悟でやっと剱岳に初登頂したら、そこにはすでに奈良時代の剣,や錫杖頭があったという。 日本の宗教登山の歴史を垣間見た遺物だった・・・・・・ 今私もその舞台となった劔岳山頂に立っている・・・・・・・まさに感無量である。
劔岳山頂を十分満喫したので下山にかかりました。今度は下りルートを進みます。下りルートの難関は「カニノヨコバイ」です。 最初の一歩と足がかりがちょっと大変ですが後は慌てずに通過すれば問題ありません。
緊張しながら「カニノヨコバイ」を通過すると今度は長いハジゴと鎖場が連続しています。このルートも下り専用です。
登りとはまた違った緊張感を味わいながら前剱まで戻って来ました。振り返ると登りの時はまだ薄暗くてよく見えなかった剣岳が良く見えています。 よく登ったものだと妙〜に感心・・・
出発してから4時間30分、無事小屋に戻って来ました。預けておいたザッックを受け取り、折角持って行ったのに食べないで持ち帰った弁当を小屋の前のテーブルで食べて室堂に向けて出発しました。
小屋から剱御前小屋まではずっと登りの連続です。既に4時間30分も歩いているだけに再び重たいザックを担いで歩くのは結構こたえます。 小屋に戻って来た時に急にガスが出て辺りは真っ白で何も見えなくなってしまいましたが、ご覧のようにその後も晴れる事はありませんでした。 ちょうど山頂を往復する時だけあんなに素晴らしい天気だったようです。本当にラッキーでした。
小屋を出発して間もなく小屋の方がスコップを持って追い抜いて行きました。何をするんだろうと思っていたら、雪渓の場所まで来たらスコップで足場のステップを切っていました。 登山者の安全の為のルート整備も地味ながら山小屋の重要な仕事の一つですが、感謝の言葉もありません。 通過時に一人一人に「ありがとうございます」とお礼を言って通過しました。 登山道脇にはハクサンフウロが咲き誇っていました。トリカブトも既に咲き始めています。 剱御前小屋までず〜っともくもくと登って来ました。昨日は立山から別山を縦走してここまで来ましたが、今日はここからは雷鳥平に向かって下って行きます。
雷鳥平が近づくとカラフルなテントが見えて来ました。雷鳥沢キャンプ場です。
雷鳥平からは一番右ルートが正解だったようです。私はキャンプ場の中を抜けて真ん中のルートをとった為にまたしても階段の登りが出てきました。 この後も道はずっと上っています。 室堂付近まで来てようやく雷鳥の親子に出会いました。今回は見られないと思っていたので急いで写真を撮りました。
今日は昨日歩いて来た立山の稜線をゆっくりと眺めながら室堂まで戻ろうと思っていましたが、ご覧の通りガスで何にも見えません。とても残念です。 ここまで来ればミクリガ池を経由して室堂まではもうすぐです。
時間は12時30分、今日は室堂まで8時間半の行程でした。ここから脇目もふらず扇沢まで乗り継いで2時間、14時半扇沢に無事到着しました。 大町温泉「薬師の湯」で登山の汗を洗い流し、ビールは家までじっと我慢して今回の山行を締めくくりました。 |