7月1日は富士山山開き。昨年は悪天候に阻まれて八合目で途中敗退を余儀なくされ、1年振りのリベンジに出掛けました。
しかし出発前から雨模様。今年は残雪が多く富士吉田口のみ山頂まで登山可との事。ピッケルとアイゼン持参で富士宮口又は須走口をとも考えましたがそんな大げさにする事も無いかと富士吉田へと向かいました。
ところが富士山に近づくに従って雨は降る激しさを増し、これじゃとてもカッパを着ても登る所の話では無く、そもそも何で富士山山開きにこだわるかと言うと山頂でご来光を見て万歳三唱をし、あわよくばその時の写真で静岡新聞一面に載ろうという実によこしまな考えでありまして、早朝から山頂を目指したのでは何の意味もありません。
そんな訳で今年も残念ながら富士山はキッパリと諦める事にしました。
さて、そんなこんなで富士吉田を目指したのはいいが目的地が無くなってしまいこりゃ困ったなとラジオの天気予報を聞きながら北へ向かえば快晴は無理でも雨は降らないとよんで思い切って八ヶ岳に行く事に決めて河口湖からそのまま中央道へ進みました。
甲府南を過ぎたあたりから路面は乾いており読み通りです。須玉で中央高速を降りて途中のコンビニでつまみと酒を買い込み美し森を目指します。
美し森の広い駐車場には3台ほど車が止まっていました。皆赤岳を目指すのでしょうか?
トイレ脇に車を止めて酒を飲んでP泊の準備に取りかかります。明日はヘッドライトを点けて2時発の予定で仮眠に入りましたが、寝過ごしてふと時計を見ると3時を過ぎています。辺りはまだ真っ暗な状態でかなり霧が深い状態です。
仕方が無いので明るくなるのを待って一寝入りしたら今度は4時20分。慌てて起きて車外を見ると相変わらず深い霧の中。
寝ぼけた頭であれこれ考えましたが当初の予定通り赤岳に向かう事にしました。
霧が深い以外は雨が降る様子も無く美し森から真教寺尾根往復赤岳に向けてザックを背負って出発しました。
最初は駐車場から美し森展望台に向かいます。結構急な木道の階段が続いています。
晴れていればこの展望台から金峰山をはじめとした山々が見渡せるのですが残念ながら真っ白で何も見えません。
|
|
美し森駐車場から展望台への入口 |
美し森展望台 |
展望台を過ぎて進むとたかね荘の駐車場が見えますがそこを右に見送ってさらに真っ直ぐに進むと羽衣の池があります。
|
|
羽衣池 |
樹林の中を黙々と歩いているとリフト乗り場のところに出ました。登山道はスキー場の脇を通って伸びています。
スキーシーズン以外でもリフトは運行されていてここまではリフトで登ってくる事も出来ます。
|
|
クワッドリフト乗り場 |
イブキトラノオ |
スキー場を横に見て進んで行くと広々した場所に出ました。晴れていればここから富士山が見えるらしいです。
ご丁寧に写真付きの展望解説板がありました。この写真を見ながら真っ白な景色の中に富士山を想像してみましたがいまいちですね。
|
写真付きの展望解説板 |
すぐ先が賽の河原だそうです。ロープが張られていましたがご覧のように霧の中で何も見えません。
|
|
賽の河原 |
ここからクマザサの中を進んで行きますが寝不足気味の体には結構な急坂が堪えます。
樹木がカラマツから針葉樹林に変わり高度が上がって来た事がこの事からも判ります。
|
唐松から針葉樹林帯に変わる |
急な登りをただもくもくと登って来ると牛首山に到着。見晴らしも良くなくどこが山頂だか判かりません。
今日は急に赤岳にコース変更したので、怒られそうですが地図を持参していません。ちょうど山頂でタバコを吸いながら地図を見ている方がいましたので、ここから山頂までコースタイムでどれくらいかかるでしょうか?と尋ねたらこの地図だとあと3時間5分と書いてあるとの答え。
ひぇ〜ここまで既に2時間も歩いて来ているのにまだそんなにかかるの?これはのんびりしていられないと牛首山を出発しました。
ここからなだらかな尾根道を進むと又樹林の中に扇山の標識がひっそりと建っています。
|
|
牛首山山頂 |
扇山山頂 |
扇山を過ぎて一旦大きく下ります。下りはじめと何とそこにはコイワカガミの群落が・・・・
思わぬ花の出現に立ち止まって持参したカメラで夢中でパチパチと写真を撮りました。
雨を覚悟で富士山に行くつもりでいたので一眼レフを持参しなかった事が悔やまれます。
|
|
コイワカガミの群生 |
花の写真を撮って下りきると今度は又急な尾根道に変わります。傾斜は急ですがここからは高山植物が咲き乱れ疲れた体を押してくれます。
|
キバナノコバノツメの群落 |
|
深山幽谷の趣 |
フッ〜と大きく深呼吸しながら登って来ると樹林帯を抜けて森林限界を超えます。
ガレ場と砂礫帯となって足場が悪くなりクサリ場が連続して現れます。
|
|
山頂までクサリ場と鉄ハシゴが連続してあらわれます |
クサリにしがみついて必死に登っている途中に可憐な花々が岩の間に咲き乱れています。
不安定な体勢でクサリにつかまったまま必死になってカメラのシャッターを切りました。
急なクサリ場と写真撮影で遅々として先へ進まず、これだけの花が咲いているとは思っていなかっただけにここでも一眼レフを持参しなかった事が悔やまれてなりませんでした。
それでは撮影した高山植物をご覧いただきましょう。
|
|
イワベンケイ |
ツガザクラ |
|
|
ツガザクラの蕾 |
ミヤマキンバイ |
|
|
ハクサンイチゲ |
チョウノスケソウ |
|
|
イワヒゲ |
イワウメ |
|
山の斜面一杯に咲くチョウノスケソウ |
花に励まされ息絶え絶えに分岐までやって来ました。
|
左へ行けば赤岳、右へ向かえばキレットを越えて権現岳 |
このハシゴを越えれば山頂はもうすぐそこ。
|
鉄ばしご |
やりました。ようやく山頂に到着です。ここ数年八ヶ岳には結構頻繁にやって来てますがここ赤岳山頂に立ったのは実に7年振りになります。
|
赤岳山頂にて |
山頂で写真を撮って菓子パンを食べて水分を補給したら慌ただしく下山開始です。
今日は私の山の師匠も一緒だったのですが途中で引き返してしまいましたので追い付く為に必死の形相で山を下ります。
一目散に下ってくると今朝は早くて動いていなかったリフトが動いています。係員に聞いてみると料金は1000円との事。リフトを降りて車道を1.5キロ程歩けば美し森に着くとの事でもう師匠は駐車場に着いてづ〜っと待っているだろなぁと思い1000円だしてリフトに乗る事にしました。
邪道ですけど実に快適ですね。
リフトを降りて師匠に電話すると何とまだリフト脇を歩いている最中でリフトに乗らなくても追い付いていた見たいです。ここで逆に私が追い越してしまった格好になってしまいました。
|
|
下山途中霧の晴れ間から見える牛首山 |
クワッドリフト |
リフトを降りて車道を歩いてようやく駐車場に戻って来ました。しばらくして師匠も無事到着。
便所の脇でちょっと気が引けましたがお構いなく路上に座り込んでお湯を沸かして持参したカップ麺とおにぎりを食べてブルーベリーソフトクリームも食べてラジウム温泉須玉の湯で汗を洗い流して八ヶ岳を後にしました。
やはり高山植物の宝庫、八ヶ岳の素晴らしさを改めて実感いたしました。
|
美し森駐車場 |
|
真教寺尾根ルート断面図 クリックで拡大 |
|
真教寺尾根ルート図 クリックで拡大 |
|
真教寺尾根ルート立体図 クリックで拡大 |
|