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山域・山名 | 北八ヶ岳 |
日 時 | 2008年1月1日(火)−3日(木) |
天 候 | 曇り時々雪 |
行 程 | 1月1日 ピラタスロープウェイ(14:00) − 五辻 − オトギリ平 − R299号 − 麦草峠 − 白駒荘(16:40) 1月2日 白駒荘(9:00) − 麦草峠 − 大石峠 − 茶臼山 − 縞枯山 − 雨池峠 − 縞枯山荘 − ピラタス山頂駅 − 坪庭 − 北横岳ヒュッテ(14:30) 1月3日 北横岳ヒュッテ(9:00) − 北横岳 − 北横岳ヒュッテ − ピラタス山頂駅(10:30) |
去年に続き今年も北八ヶ岳でお正月を迎えました。 ピラタス蓼科リゾートに着いたのがお昼前。車の中でご飯を食べてスキー場の待合室で出発準備を済ませてロープウェイで一気に山頂駅へ向かいます。 ここでアイゼンを付けて出発しましたが、年末からの大寒波の影響でかなりの積雪があり、出発当初から所々で腰まで潜ってしまう有様で、このままではかなり苦労を強いられるとの判断から一旦スキー場に戻ってスノーシューを借りて再び歩き始めました。
出発時間が遅くなってしまったのであまりのんびりとしている訳にもいかず、暗くなる前には白駒荘に到着出来るように歩いて行きます。 ちらちらと舞う雪の中、時折樹木に積もった雪が落ちて首筋から背中に入りひやっと冷たい思いをしながら凍てつく樹林帯を下ります。 五辻のちょっと広い場所には赤い旗が立てられていて道に迷わないように配慮されていました。 この先にあずまやがありちょっと休憩をして尚も進むと、出逢いの辻から真っ直ぐに国道に出る道と大石峠に向かう道が分岐しています。 ここで国道に出るのはちょっと早い気がするので大石峠に向かって樹林帯の中を進みます。 峠に向かって進むので登山道はここから緩やかな登り坂となっています。 樹林帯を抜けると分岐となっていて今度は下に向かって行くと、今まで順調に付いていたトレースが見あたりません。 かなりの吹きだまりの中を進みましたがスノーシューが無ければやはり腰まで埋まってかなりのラッセルに苦労させられたことでしょう。 ここが麦草峠と思いきやどうも様子がおかしいようで、見渡すと案内看板があったのでそれを見て確認したらどうやら大石峠と思っていた場所はオトギリ平で、ちょっと手前を下ってしまったようです。 ここまで来れば冬期通行止めの国道299号メルヘン街道をだたひらすら歩くだけです。 麦草峠に向かって歩いていると前からスノーモービルが走って来ました。後ろに荷台を付けてすれ違いざまにお互いに軽く会釈をしてすれ違いました。 ようやく麦草ヒュッテの建っている場所までやって来ました。本当はここに出てくる予定だったのです。 ここから登山道を行くことも出来たのですが時間的にも遅いし楽な国道をこのまま歩いて行く事にしました。 麦草峠の大きな道路看板を過ぎるといきなり道路に積もっている雪の量が増えてスノーシュー無しではかなり潜ってしまいそうです。 雪の量と風が何となく強くなって来た感じです。気がつけば全身真っ白な状態です。 峠からしばらく下り、ようやく白駒池の有料駐車場に着きました。 ここまで来れば着いたも同然です。真っ白な足跡一つない駐車場はひっそりと静まりかえっていました。 雪が解けて又観光客で賑わいを見せる春までにはまだかなりの時が必要のようです。
白駒荘に向かって駐車場を右折します。時間も16時を過ぎて樹林の中はさすがに薄暗くなって来ています。 一昨年の十月と去年の正月にも歩いている場所ですがこんなに遠かったかなぁと思うくらい池に着きません。 ようやく池が見えれば白駒荘はもうすぐそこです。 白駒荘に到着すると宿の方が暖かく出迎えてくれました。 玄関で真っ白になった全身の雪を払い落とし中に入りました。 広々とした食堂にストーブがあり、今日は我々以外は常連の方々だけみたいです。 荷物を置いて先ずはストーブの傍で冷え切った体を暖めます。 ようやく体が暖まったところで今度は冷たいビールで先ずは新年と無事到着を祝して乾杯〜! すぐ横には宿で用意してくれた焼酎「大五郎」が置かれています。ご自由に飲んで下さいとの何とも有り難いお言葉に有り難く頂きました。 夕食時にはこれまた地酒「真澄」が振る舞われ、夕食の片付けが終わった後は宿の方も交えて夜遅くまで大宴会へと発展し、そろそろ寝ようと寝床に案内され、あまりの寒さに思わず毛布を余分に掛けて猫のように丸くなって夜明けを迎えました。
翌日は案の定ちょっぴり二日酔い。 今日も一日歩くのにこれでいいのか?とまぁいつもの自問自答。 年が改まってもやってる事に変わりがない私であります。 おいしい朝食を食べてお世話になったお礼を言って宿を出ました。 出発当初は青空が広がっていて今日はいい天気になるかなと思っていましたが残念ながらそうは行きませんでした。 白駒池に出て写真を撮って、昨日歩いて来た道を麦草峠まで引き返します。 白駒池から樹林に入るところで一人に登山者とすれ違い「白駒荘はどっちですか」と聞かれたので真っ直ぐですよと答えましたが、「どちらから来られたんですか?」と訪ねると麦草峠から国道を歩いて来たのだが腰のあたりまで雪に潜ってしまいえらい目に遭ったと青白い顔をして言っていました。やはり今回の山行にはスノーシューが欠かせないと改めて実感しました。
我々は昨日国道を来たので今日は樹林帯の登山道を抜けて行く事にしました。しかし樹林帯が切れた場所でやはりトレースが無く、スノーシューを履いていてもかなり潜ってしまう場所があり困っていると正面からスキーを履いた若者が道を付けてくれて助かりました。 再び樹林帯の中を歩いて行くと太陽の光が木々の間に差し込んでとても神秘的な雰囲気の場所にやって来ました。 なんだかお伽の国にでも迷い込んだような錯覚に陥りしばらく夢中で写真を撮りました。 雪山は余分な物が一切雪で隠されてしまい白と黒の実に単純な世界を見せてくれます。 「白と黒」「光と陰」の両極をうまく取り入れて写真を撮ればすばらしいものになると思いますがこれが実は大変難しいですね。
そんな事を思いながら麦草ヒュッテまでやって来ました。 煙突から立ち上る煙を眺めているだけで体が暖まったような感じになるくらい外は相変わらずとても寒いです。 見上げればこれから登って行く茶臼山の山頂がちょうど雲が切れて如何にも寒々しい灰色をして見えています。 麦草峠から緩やかな登山道が大石峠まで続いています。 昨日道を間違えなければここまで来たはずだったんです。 ここから茶臼山の山頂まではとんでも無く急な坂が続いています。スノーシューでは登りにくく本来ならアイゼンを付けた方が歩き安いと思うんですが面倒臭いのでスノーシューのまま登って行きましたが、かなりの労力を要します。山頂まで本当にインターバルはありません。 思わぬ急登に苦労してようやく山頂に到着です。ちょっと時間がかかりすぎてしまいここでお昼にしました。 お昼と言っても寒いので座ってのんびりとは行かず、パンをかじってコーンスープを飲んでおしまい。 素早く撤収して縞枯山に向かいます。
ここまでは案外順調でしたが今度はここから雨池峠に向かってとんでもなく急な下り坂が続いています。 横向きになって降りて行きますが、ちょっと油断すると滑って転んでそのままずれ落ちて行くので注意が必要です。 雨池峠まで来ればあとは平坦な登山道が山頂駅まで続いています。 縞枯山荘のあたりで若干雪が強くなり、トイレ休憩を兼ねて一旦ピラタス山頂駅に戻り、再び坪庭を経由して北横岳に向かって歩いて行きました。 坪庭から一旦下り、ジグザグな登山道を登って行きます。 三ツ岳への分岐を過ぎれば平らな道となってやがて本日に宿泊地北横岳ヒュッテに到着です。 予定より早く着き、部屋でビールを飲んでカメラと三脚を抱えて外に写真を撮りに行きました。 暮れゆく浅間山や樹氷を覆う空の色が刻々と変化していきます。 やがて夕方となり夕食までの間、この冬私のテーマ「ボーダーな時」をカメラに納め夕食の時間となりました。
夕食は何と「鍋料理」。食べきれない程の量に馬刺しまで付いていて山小屋で無く旅館か民宿にでもいるような感じです。 ここでも昨日に続いて地酒「真澄」が振る舞われ調子の乗って飲み過ぎてこれで明日も又二日酔い決定であります。 夕食を済ませてから又防寒着に身を包み、今度は恒例の「山小屋のともしび」撮影です。寒さでしびれる手をさすりながら酔っぱらいモードな私はファインダーを覗き込んで必死で撮影しました。 案外まともに撮れるもんです>おい! 今日は昨日と違って部屋にストーブがあったおかげでとても暖かく寝る事が出来ました。 最終日は目覚めると外は真っ白で何も見えません。雪がちらついています。 飲み過ぎて調子が悪くやっと朝食を食べました。毎度の事ながら性懲りもない私・・・・・ 荷物を整理して宿に置かせてもらいアイゼンを付けて身軽な格好で北横岳を往復しました。 山頂付近はすごい吹きさらしで寒く、去年も来ているので私は山頂手前で引き返して来ました。 小屋に戻って荷物を受け取り下山して来ると急に視界が開けて坪庭の姿が目の前に飛び込んで来ました。 慌てて手袋を外し、カメラを取り出してと、冬は写真を一枚撮るのも一苦労です。 坪庭まで降りて来るとやはりアイゼンではところどころで埋まってしまいます。スノーシューに履き替えて坪庭を一周して最後は急な坂をお尻で滑り降りてピラタス山頂駅に戻って来ました。
スキー場のロープウェイは下りに乗る客は殆どいないので貸切です。霜が凍り付いた窓を係員の方が拭いてくれて見える山並の説明をしてくれました。 ガラス越しではありましたが天気も回復してよく見えましたのでここでも何枚か写真を撮りました。 無事に山麓まで降りてきて「小斉の湯」で温泉に入ってソバを食べて帰って来ました。 真っ白な山の中に身を置いて何もかも一旦リセットし、今年一年いろんな事を乗り越えて行く鋭気を養いました。 さぁー2008年もガンバッて行くぞ!オー>一人舞い上がっている私です・・・・ |
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