北アルプス 涸沢
山行記録    Toppage

山域・山名  北アルプス 涸沢 
日   時  2010年8月13日(金)〜14日(土)
天   候  1日目 曇り 2日目 大雨
行   程  上高地(6:15) − 横尾(9:30-10:00) − 涸沢(13:15)
今年は2回に分けて夏山に行く予定を立てました。
前半が今回の上高地から涸沢まで入ってテントで2泊3日、北穂高岳から奥歩穂高岳に登り満点の星空を眺めながらのんびりと過ごして来るハズだったのですが・・・・・・(TT)

前日の夜に沢渡の市営第二駐車場に車を泊めて車中泊をしました。
ここには24時間入れる足湯があり、大きくて立派なトイレもあります。
日付が変わった午前1時にこの駐車場に着きましたが、600台の駐車スペースの内3分の2くらいは埋まっている状態でした。

朝5時には出発予定なのであと4時間しかありません。早く仮眠しないといけませんから、トイレを済ませて戻ろうとすると、相方が足湯に入ろうと言っています。
「え〜入るの?だってタオル無いし・・・・」
「タオルならあるよ、ほら」
はじめから入るつもりで首にタオルをぶらさげていたようです。
夜中の1時過ぎに2人で足湯につかり、寝酒に缶ビールを飲んで目を閉じてハット気が付けば既に夜が明けていました。

北アルプス 涸沢 写真 北アルプス 涸沢 写真
沢渡 第二駐車場の足湯 朝6時前にこの人の数・・・・


取りあえず、おにぎりを1個食べて出発準備を済ませてバス停に並びました。
既に1便のバスは出た後で続々とバスが通過して行きます。
バス停に並んでいると、後ろに並んだ親子連れの方から
「2人ですか?タクシーで相乗りしません?」
と、声をかけられ、ナイスタイミングだったのでタクシーで上高地に向かいました。

上高地に着くと時間はまだ6時前だというのにものすごい数の人。次から次へとバスが到着してぞくぞくと人が降りて来ます。
さすがに北アルプスの玄関口人気の高さが伺えます。
登山計画書を提出して大きなザックを背負っていざ!出発進行〜

北アルプス 涸沢 写真 北アルプス 涸沢 写真
つがいのカモ


この場所が他と違うのは、皆かなり大きなザックを担いでいる事です。
他の山だとテント泊は少数派ですから、私みたいにテント道具一式にカメラに三脚まで担いで歩いていると、かなり奇異な目で見られがちですが、ここでは何の違和感もありません。
皆黙々と目的地を目指して大きなザックを背負って歩いて行きます。

北アルプス 涸沢 写真 北アルプス 涸沢 写真
上高地から歩いて2時間 徳沢園 上高地から歩いて3時間 横尾山荘


上高地から涸沢までは、コースタイムで6時間。そのうちアプローチに要する時間が3時間。上高地から明神まで1時間。そこから徳沢園まで1時間。さらに横尾まで1時間。梓川に沿って平坦な道をひたすら11キロ歩きます。
途中、小梨平、徳沢園を通過しますが、どこのテントサイトにも結構テントが建っていました。

重たい荷物を背負って3時間、やれやれやっと横尾に到着です。
かなりの登山者で賑わっています。ここは槍ヶ岳、涸沢、蝶ヶ岳へのちょうど分岐点となっていて、ここで三方に分かれて行く事になるわけです。

椅子に座って回りをよく見ると今話題の山ガールと呼ばれる女性が結構いますね。山も華やかな衣装の登場で若い女性が増えて結構な事です。
あと20年早くこのブームが来ていたらきっと私も山で素敵な出会いがあったかも・・・・バキッ・・・・痛っ!

北アルプス 涸沢 写真 北アルプス 涸沢 写真
横尾大橋 ここから本格的な登りにかかる 屏風岩


さて、横尾まではほぼ平坦な道を歩いて来ました。11キロも歩いたら股関節が痛くなってしまいました。
ここから横尾大橋を渡っていよいよ本格的な登山道に入っていきます。
川を挟んで左側に屏風岩がそそり立つ岩壁を誇示するかのように大きく見えています。
しばらくはこの屏風岩を左に見ながら進んで行きます。

天気は曇り空で、歩くのにはあまり汗をかかなくて済むので有難いです。
この先で橋を渡った所が休憩にはちょうどよい場所です。この橋を渡るといよいよ登りがきつくなり、遅くとも休まず一歩一歩と進みます。
右側の沢筋の上に北穂高岳が見えてくれば横尾と涸沢のほぼ中間点くらいでしょうか?
振り返ると谷間から常念岳の姿も見えました。

涸沢ヒュッテが見えればあと少し。涸沢小屋への分岐を過ぎて回り込めば涸沢ヒュッテに到着です。

北アルプス 涸沢 写真 北アルプス 涸沢 写真
沢筋の上に北穂高岳が見えて来た 振り返ると常念岳


直ぐにテラスで一杯やりたい所ですが、先ずは今夜の寝床を確保せねばなりません。もう既にテントサイトには無数のテントが張られていましたのであまりのんびりしているといい場所が確保出来ないので何はともあれテントを設営しないといけません。
涸沢のテントサイトは石がゴロゴロした上にテントを張らなくてはいけませんから場所の見極めが重要です。
ちょうどいい場所を見つけてテントを設営し、明日の山行用にサブザックに荷物を詰め替えて、再び涸沢ヒュッテのテラスに戻って生ビールを片手に久しぶりに訪れた涸沢からの景色を満喫しました。

涸沢のパノラマ 横着しらたうまく繋がりませんでした・・・(^^;あちゃ?


テントに戻って担いで来たウイスキーで夕暮れまで涸沢カールの残雪を見ながらの一杯、実に至福の時間です。
しかし、真っ暗になる前に食事の準備をしなくてはいけません。
普段は晩酌をするとご飯は食べないのですが、山に来たら酒はそこそこにしてしっかりご飯を食べないと明日の行動に支障をきたします。

晩ご飯を食べてラジオで明日の天気予報を聞くと、日本海に低気圧が発生し、そこに向かって湿った空気が流れ込んで大気の状態が不安定になっていると言っています。
う〜ん、どうしたものか、私が悩んでも天気を変える事は出来ません。
取りあえずいつでも出発出来る準備だけば万全に整えてシュラフに潜り込みました。

北アルプス 涸沢 写真 北アルプス 涸沢 写真
歩くはずだった北穂高岳から奥穂高岳にかけての稜線 テントサイトでカールの残雪を眺めながらの一杯う〜ん最高!


しばらくうとうとしてふと目が覚めると辺りは既に真っ暗です。
寝る前にテントサイトのを写真を撮りながらトイレに行こうとカメラと三脚を持ってとテントを出ました。
トイレを済ませてヒュッテのテラス前から見ると色とりどりのテントが薄明かりの中に浮かび上がってとても綺麗です。
三脚を建ててしばらく撮影しているとポツポツと雨が降って来ました。

テントに戻る頃には本降りとなり、明日の天気に一抹の不安がよぎります。
雨脚はだんだんと強くなり夜半過ぎには土砂降りの雨となりました。風もだんだんと強くなり、時折テントを容赦無く歪めにかかります。
テントを叩く雨音は激しくなる一方で、土砂降り状態はとうとう明け方まで弱まる事はありませんでした。
絶え間なく一方から吹き付ける風にテントも段々と湿り気が増してきました。

北アルプス 涸沢 写真
涸沢の夜に咲くテントの華


夜が明けても雨足は強くやむ気配はありません。明日も雨の予報で残念ながら今回は下山する事に決めました。
ふりかけとお茶漬けの朝食を食べて、一気に撤収にかかります。

荷物をザックに詰め込んで、カッパを着込んで雨の中テントを素早く解体します。
雨に濡れたテントをザックに押し込み涸沢を後にしました。
雨に濡れたテントとザックは水分を含み登って来た時よりもザックが重く感じます。
登山道は川のようになって、沢筋から落ちる水は滝のように登山道を横切って流れ落ちています。
ザックの重みがずっしりと肩に食い込みいつもと違う痛みに顔が思わず歪みます。
ようやく横尾まで戻って来て、ザックを見ると荷物の重さに耐えかねたのかショルダーの部分が千切れてしまっていました。
これが肩に食い込んで激痛の要因となっていたようです。

横尾から上高地までさらに3時間肩の激痛に耐えながら雨脚は衰えるどころが強くなる一方で、ついに上高地まで激しい雨は止むことがありませんでした。

びしょ濡れで上高地に着いたのでタクシーで帰ろうとタクシー乗り場でカッパを脱いでいると、「2人ですか」とまたもや声をかけられ、相乗りで沢度の駐車場まで戻って来ました。

何はともあれ上高地からの帰りにいつも寄るしもまきに向かい、入浴することに。
あ〜有難や。さっぱりとして、帰りは運転を代わってもらって、ビールを飲みながら天ざるそばを食べました。

何度となく訪れた上高地。しかし山帰りは決まって雨。そして又もや今回も雨・・・・ジンクス破れず・・・・・残念



北アルプス 涸沢 ルート図
登山ルート平面図<クリックすると拡大してご覧になれます>


北アルプス 涸沢 ルート図
登山ルート立体図<クリックすると拡大してご覧になれます>



北アルプス 涸沢 ルート図
登山ルート高低差<クリックすると拡大してご覧になれます>

カシミールにて作成

Toppage