気象庁から7月9日午前、九州北部、関東甲信、北陸の各地方で梅雨明けしたとみられると発表がありました。昨年より8日、平年と比べ関東甲信は12日、北陸は15日早いとのことです。
これだけ早く梅雨が明けると原発事故で電力不足が益々心配になってきますが、それはさておきいよいよ夏山シーズンが到来です。
2011年夏、最初の山は白山を選びました。
白山は花が豊富な事で有名で、頭にハクサンと名の付いた花が一杯あります。
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市ノ瀬 早朝からバスを待つ長蛇の列が出来ています |
別当出合まではシャトルバスで登って来ます |
土曜日の夕方出発して、東名、東海北陸道と乗り継いで白鳥インターで降りました。
すでに時刻は22時をまわっています。ここから一般道の油坂峠を越えて行く予定でしたが、中部縦貫自動車道が福井方面に出来ていました。
この道路でもいけるかもと途中まで走りましたがやっぱり不安になって一旦引き返し、一般道を行く事にしました。
しかし、一般道は真っ暗で気味が悪くキツネにまで遭遇してしまい、このまま峠を越えて車が故障でもしたらと思うと急に怖じけ付いてしまって再び中部縦貫自動車道を走る事にしました。
結果としてはこの道路が正解で油坂峠を越えずに済みました。
しかし目的地である市ノ瀬野営地まではカーナビ表示で99キロもあります。
山深い道路を延々と走り段々と燃料も乏しくなって来ました。明日の食料も調達しなくてはいけないけれど、真っ暗でお店は営業していません。
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橋を渡って防新道を登ります |
ようやく大野市まで来るとすき家の看板がありました。すき家があると言う事はその辺りにコンビニもあるだろうと行ってみると思った通りコンビニにありました。
これで一安心、明日の朝と昼用に食料を買い込んで、店員に24時間営業のガソリンスタンドは無いかと聞いてみましたが案の定有るわけがありません。
まあ、省エネ走行すれば足りるくらいの燃料は残っていましたので、登山口に向けて再び走ります。
勝山市まで来ると既に日付が変わっています。家を出発してからここまで9時間ちかくたっていて何だか疲れて来ました。
登山口で仮眠しようと思いましたが、又真っ暗な山道を走るのもしんどいので煌々と外灯に照らされた大きな病院の駐車場の片隅でひっそりと仮眠をさせていただきました。
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甚之助避難小屋からの眺め |
甚之助避難小屋 |
仮眠すること約3時間、朝4時に市ノ瀬野営地に向かいます。国道から分かれて川沿いの道を進み、午前5時前に市ノ瀬に到着しました。
着いてびっくり、バス停には既に長蛇の列が出来ていました。この時期は市ノ瀬から別当出合の間はマイカー規制されていてシャトルバスに乗り代える事になります。
ガイドブックに900台駐車出来ると書いてある駐車場も既に満車状態で何とか一番奥に駐車出来ましたが、あとから来る車は別の場所に誘導されていました。
出発準備をしていると一番のバスが満員の登山者を載せて出発して行きました。
トイレを済ませ、第二便の列に並びます。時間はまだ午前5時30分前だと言うのにあっと言う間に長蛇の列が出来上がりました。
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黒ボコ岩への登山道の両側にお花畑が広がっていてとても綺麗 |
市ノ瀬から別当出合まで運良くバスに座る事が出来ました。バスに揺られる事約20分別当出合に到着です。
立派なトイレと水道があります。売店は早朝の為かまだ営業はしていませんでした。
今回は砂防新道を歩く予定です。次から次へとぞくぞくと登山者が別当出合吊橋を渡って行きます。
登り始めから既に渋滞が発生して遅々として先に進みません。休んでいるのか渋滞しているのかも分かりません。
「済みません」と声をかけて団体を追い抜いて行きますが一度に数十人単位で追い越さねばならずかなり疲れました。
この山は上から下まで新品を身に纏う初心者から数十人単位の旅行会社企画組まで登山者が多岐にわたっているのが特徴のようです。今流行の山ガールも大勢いました。
最近は登山服もカラフルになって山が明るくなったように思います。とても良い傾向だと私は歓迎しています。
さて話を元に戻しましょう。この登山道展望も無く花も全く咲いていません。先の登山者を追い抜き追い抜き中飯場に到着。ここにもトイレがありました。
ここで休憩する登山者が多くかなりばらけて来たのでここでは休憩をとらずに先に進む事にしました。
やっと自分のペースで歩く事が出来るようになりやれやれです。この先も展望も開けず花も全くないただ黙々と歩くだけの退屈な登山道を進むと急に展望が開けて来ました。観光新道の尾根上を歩く人や息吹山方面の山並みが見えて来ました。
ちらほらですがミヤマキンバイも咲いていて程なく甚之助避難小屋に着きました。
避難小屋にしてはとても立派でトイレと水場が有りました。蛇口をひねるととても冷たい水が出てきます。
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斜面を黄色く染めているのはニッコウキスゲ |
黒ボコ岩 |
この先もしばらくは退屈な登山道が続きますが南竜ヶ馬場への分岐をすぎると辺りの状況が一変します。突然お花畑が出現して以後、黒ボコ岩までの急な登山道の両脇に満開の花々が咲いていました。
観光新道を見上げると一面真っ黄色な場所があります。おそらくニッコウキズゲだと思われますが、この時点では確認出来ませんでした。
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弥 陀 ヶ 原 |
黒ボコ岩で観光新道と合流して弥陀ヶ原の木道を歩いて行きますがこちらも辺り一面にお花畑が広がっていて雲上の楽園といった雰囲気です。木道を過ぎて五葉坂を登れば白山室堂センターに到着です。宿泊場所にもなっていて大変賑わっています。
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室堂手前から弥陀ヶ原方面を振り返る |
満開のコバイケイソウ |
室堂を裏に回り込むと白山神社奥宮があります。ここで参拝をしてお札をいただいて山頂に向かいます。
この辺りにはクロユリの群落がありました。まだ咲き始めたばかりでその多くはつぼみのまま開花の時期をじっと待っているようでした。
ここから白山御前峰までの登山道が結構急で大変です。みな息絶え絶えにうつむいてひらすら頂上へと進んで行きます。
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室堂センター |
白山神社奥宮 |
今日は山頂からの展望にも恵まれて北アルプスの山並みがとても綺麗に見えています。
山頂で写真を撮って景色を楽しんで室堂に戻ります。
今日は暑すぎるくらい日差しが強く建物の日陰に腰を下ろして昼食にしました。
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山頂へ最後の急登を行く |
ツボミのクロユリの群落 |
下山コースはエコーラインを経由して砂防新道を下ろうと思っていましたが、観光新道はニッコウキズゲが満開との掲示にコースを変更して黒ボコ岩から観光新道を下山コースに選びました。
情報通り山の斜面一面に黄色く咲くニッコウキズゲはとても素晴らしくこのコースを選んで正解でした。とこの時は思ったのですが、このコース突然猛烈な下りが延々と続き途中から脚が痛くなってしまいました。
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白山山頂にて |
標高が低くなるとシモツケも咲いていて花を楽しむにはいいコースかもしれませんが急な登山道はいかがなものかと思います。
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北アルプスの山並み |
下りは観光新道を行く事にした |
もう限界と思った頃別所出合に到着。皆さん美味しそうにビールを飲んでいましたが、取りあえず市ノ瀬まで戻る事に決めてバス停に並びました。
しかし蒸し暑さに全身汗だくで我慢出来ずにコカコーラを買いました。
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お花畑がとても綺麗 特にニッコウキスゲの群落は見事 |
帰りのバスも運良く座る事が出来て良く冷えたコーラを飲みながら超満員のバスは約20分で市ノ瀬に到着です。
市ノ瀬は路肩にまで駐車車両があふれている状態でこの山の人気が伺えます。
今日は福井駅前のビジネスホテルを予約してあるので、取りあえず登山道具を車に放り込みビールは我慢して一路福井を目指します。
これだけの登山者がいるんじゃ途中の温泉も混雑しているかもしれないのでそのまま福井まで走る事にしました。
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殿ヶ池避難小屋 |
シモツケも咲き始めていました |
幸いな事にビジネスホテルには大浴場もありゆったりと湯船に浸かる事が出来ました。
夕食は外の居酒屋に出向き生ビールを一気に喉に流し込んで、それからは焼酎を飲んで飲んで飲み過ぎて寝不足と登山の疲れで気を失うように眠りこけ、ふと気がつけば電気も付けっぱなしでベットに倒れていました。
翌日は早くも猛烈な筋肉痛にみまわれてぎこちない歩き方で永平寺に参拝して帰途につきました。
それから1週間猛烈な筋肉痛に見舞われましたが、最高の天気満開の花々を満喫出来た白山の山旅でした。
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登山ルート図<クリックで拡大します> |
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登山ルート立体図<クリックで拡大します> |
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登山ルート標高差<クリックで拡大します> |
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