北アルプス表銀座縦走路(燕岳〜蝶ヶ岳)
山行記録    Toppage

山域・山名  北アルプス 表銀座縦走路 燕岳〜大天井岳〜常念岳〜蝶ヶ岳 
日   時  2012年8月24日(金)〜26日(日)
天   候  晴れ
行   程 8月24日
中房登山口(5:10) − 合戦小屋(8:45-9:10) − 燕山荘(10:20) − 大天荘(14:10)

8月25日
大天荘(5:20) − 常念小屋(8:45-9:10) − 常念岳(11:00) − 蝶ヶ岳ヒュッテ(15:20)

8月26日
蝶ヶ岳ヒュッテ(7:30) − 三股(11:10)
6月以降全く山に行けていません。
山の予定を立てれば雨、7月の連休も8月のお盆も全く天候が安定せず、夏休み中一歩も外に出ない日々に耐えられず、金曜日に年休を取って燕岳から蝶ヶ岳まで縦走して来ました。

今回は中房登山口から入山して燕岳〜大天井岳〜常念岳〜蝶ヶ岳と縦走して三俣へ下山する行程なので入山口と下山口が違う為に車の回収を考えてしゃくなげ荘の登山者用駐車場に車を止める事にしましたが、トイレの心配があったのでとりあえず道の駅を目指して21時に自宅を出発して翌日1時に道の駅「アルプス安曇野ほりがねの里」に着いて仮眠をとりました。

3時過ぎには起きてトイレを済ませて道の駅を出発して駐車場に向かいます。
中房登山口行きのバスは4時15分発です。今日は大天荘まで行きたいのでバスを待っていては1時間以上時間が遅くなってしまうため朝4時に予約してあったタクシーで中房登山口に向かいました。

表銀座 燕岳 大天井岳 常念岳 蝶ヶ岳 写真  表銀座 燕岳 大天井岳 常念岳 蝶ヶ岳 写真
第一ベンチ・第二ベンチ・富士見ベンチと適度に休憩所がある 朝から快晴の登山日和


夜明け前の4時45分登山口に到着。トレイと身支度を整えて、5時過ぎに中房登山口を出発しました。
過去に何回か登っている合戦尾根ですが、テントを担いで登るのは今回が初めてです。
ここ数日はずっと天候が安定していて猛暑日を通りこして酷暑日となって高温注意報も出るくらいの好天が続いています。
第一ベンチ、第二ベンチと順調に高度を上げて富士見ベンチまで来ると富士山の姿がはっきりと確認出来ました。

途中で中学生の集団が下って来ました。元気よく挨拶をしてくれます。先頭の先生が後から190人下山して来ますと言ってました。
山も随分ご無沙汰気味で重たい荷物を背負ってちゃんと歩けるのかちょっと不安だったけど合戦小屋までは実に順調に登って来ました。
ここでしばらく休憩を取ります。勿論名物のスイカを食べました。
何時来てもなんでこんなに甘くてうまいんだろうと思います。

表銀座 燕岳 大天井岳 常念岳 蝶ヶ岳 写真 表銀座 燕岳 大天井岳 常念岳 蝶ヶ岳 写真
合戦小屋名物のスイカ 合戦小屋にて


合戦小屋を出発してしばらくするとなるほど、次から次へと中学生が下って来ます。皆さん元気よく挨拶をしてくれるのはうれしいのですが人数が多いので挨拶を返すのが大変な事。何班かに分かれて間を空けて元気よく通り過ぎて行きました。

その後も順調に高度を上げて槍ヶ岳の姿を目視出来る所までやって来ました。
太陽もだいぶ高くなって常念岳は沸き立つ雲に姿が見えなくなって来ました。

表銀座 燕岳 大天井岳 常念岳 蝶ヶ岳 写真 表銀座 燕岳 大天井岳 常念岳 蝶ヶ岳 写真
集団登山の地元中学生たち 槍ヶ岳の姿が見えてきた


登山口を出発してから5時間で燕山荘に到着です。
荷物の重量を考えればまずまずのペースです。雲が湧いていましたが、槍ヶ岳の姿もハッキリと見えています。
一昨年登った双六岳から鷲羽岳への稜線もはっきりと確認する事が出来ました。
しかし残念ながら燕岳は雲の中で見えません。
今日は大天荘までの予定なのでまだ先が長く燕岳はエスケープしておにぎりを1個食べて先に進みます。

ここから表銀座縦走路と呼ばれる稜線歩きとなります。右手にずっと槍ヶ岳の山並みを見ながらの登山道は何回歩いても実に素晴らしいですね。

表銀座 燕岳 大天井岳 常念岳 蝶ヶ岳 写真 表銀座 燕岳 大天井岳 常念岳 蝶ヶ岳 写真
燕山荘にて コマクサ


安曇野平野から吹き上げて来る雲が次々と縦走路を吹き抜けて入道雲として大きくなって行きます。
あまりのんびり歩いているといつ雷雨になってもおかしくないので一生懸命に大天荘を目指します。

大天荘直下のガレ場を息絶え絶えに登って出発から9時間無事本日の宿泊地大天荘に到着です。
テントの受付を済ませてさっさとテントの設営に取り掛かります。

今日のテント場はそれほどの混雑では無いようです。テントを設営してお待ちかねのご褒美タ〜イム。
小屋の外テーブルで生ビールをグビグビグビと三口であっと言う間に飲み干してしまいました。
勿論一杯だけで済む訳がありません。
ビール飲んで酎ハイ飲んで何だか収拾がつかなくなって来たので一旦テントに戻る事にしました。

表銀座 燕岳 大天井岳 常念岳 蝶ヶ岳 写真 表銀座 燕岳 大天井岳 常念岳 蝶ヶ岳 写真
最後の急登のガレ場 大天荘にて生ビールで乾杯!


テントに戻って暫くしたら雷鳴が轟き雨が降って来ました。
好天の山には夕方からの雷雨はつきもので、テントを叩く雨音を子守歌に昼寝と洒落込んでいたらフッと目が覚めると何と17時30分を過ぎています。
慌てて起きて夕食の準備に取り掛かかります。
今日の夕食はアルファ米五目ご飯とマグカップラーメン。
ただお湯を入れて20分待つだけなのでたいした事はありません。
5分もかからずにあっけなく夕食は終了です。

巨大に沸き立つ積乱雲が時々ピカピカと光っていますが、小雨状態で外に出てもあまり問題はないようですが、夕暮れの景色は望み薄なのでシュラフに潜って19時に就寝。珍しいくらい風も無く静かな夜です。

表銀座 燕岳 大天井岳 常念岳 蝶ヶ岳 写真
入道雲と槍ヶ岳 天の川流れる大天荘


翌日は3時に起きてテントから顔を出すと満天の星空が広がっていました。
大天荘の真上には天から滝のように降り注ぐ天の川がかかっています。
今日は旧暦の七夕、彦星と織り姫もしっかり確認する事が出来ました。

表銀座 燕岳 大天井岳 常念岳 蝶ヶ岳 写真
表銀座縦走路と奥に鹿島槍ヶ岳 槍の穂先をつまんでみたぜぃ〜


急いでテントを出て写真を撮っていたらどんどん時間が経過していきます。
一旦テントに戻って素早くお茶漬けの朝食をかき込んで、昨夜の雨で濡れたテントを雑巾で拭いて撤収し、ザックのパッキングを済ませて大天荘の脇にザックを置いてカメラを持って大天井岳山頂に向かいます。

朝焼けに刻々と変化する山並みが素晴らしく夢中で撮影していたらすっかり時間が経過してしまい、出発時間が大幅に遅れてしまいました。

表銀座 燕岳 大天井岳 常念岳 蝶ヶ岳 写真 表銀座 燕岳 大天井岳 常念岳 蝶ヶ岳 写真
雲海と立山〜剣岳 大天井岳山頂からのご来光

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大天井岳山頂にて 朝焼けの穂高岳〜槍ヶ岳

表銀座 燕岳 大天井岳 常念岳 蝶ヶ岳 写真
表銀座 燕岳 大天井岳 常念岳 蝶ヶ岳 写真
表銀座 燕岳 大天井岳 常念岳 蝶ヶ岳 写真


縦走路は大天井岳から槍ヶ岳方面と常念岳方面に分かれます。
今日は常念岳を越えて蝶ヶ岳まで行くのであまりのんびりとしていられません。
大天荘を出発して間もなく登山道を雷鳥が歩いていました。
小さな雷鳥がちょこちょこと動き廻る姿がとても可愛くてしばらく見とれていました。

表銀座 燕岳 大天井岳 常念岳 蝶ヶ岳 写真 表銀座 燕岳 大天井岳 常念岳 蝶ヶ岳 写真
登山道に雷鳥の親子


山の景色はだんだん槍ヶ岳から遠ざかり穂高が大きく見えて来ました。
ふと目の前を見ると猿の集団がハイマツの実を食べています。
あまり刺激しないように何食わぬ顔をして通り過ぎようとするとボス猿らしき1頭がキィーと威嚇するような声を出しています。
無視して進もうとすると何とこの猿め!登山道上から石を投げて来ました。
ちょっと危ないのでどうしようかと思案していると後ろから登山者が数名歩いて来ます。
事情を話してこちらも徒党を組んで一列縦隊を組んで進んで行きます。
さすがに猿もこれには恐れをなしたのか威嚇の声をあげて遠くに退散して行きました。

表銀座 燕岳 大天井岳 常念岳 蝶ヶ岳 写真 表銀座 燕岳 大天井岳 常念岳 蝶ヶ岳 写真
涸沢カールと涸沢ヒュッテが見えてきた 常念岳と常念小屋


両側に広がるお花畑は既に時期が遅くチングルマの毛が風にそよいでいます。
砂礫地には盛りを過ぎて咲くコマクサの群落の多さにちょっと驚きです。最盛期はとても綺麗な場所なんだろうと想像しながら通過していきます。

下から真っ黒に日焼けした青年が登って来ました。日焼けの跡が長期山行を物語っていたのでどこから来たのか訪ねると折立から入山して今日で6日目か7日目だといっています。食料が減ってだいぶザックが軽くなったと笑いながら話していました。
う〜んその気持ち良くわかります。

表銀座 燕岳 大天井岳 常念岳 蝶ヶ岳 写真
常念岳〜穂高〜槍ヶ岳


眼下にやっと常念小屋が見えて来ました。でもその先にもの凄い急な道が常念岳山頂へと延びているのがわかります。
常念小屋に着いてしばらく休憩をとりました。今日は満員状態だそうです。
テント場のトイレを使用させて頂きましたが綺麗に掃除がされていました。

小屋から常念岳山頂まではコースタイムで1時間半、重たい荷物を背負っての登りに息が切れます。
大天荘を出発してから5時間ようやく常念岳山頂に到着です。

表銀座 燕岳 大天井岳 常念岳 蝶ヶ岳 写真 表銀座 燕岳 大天井岳 常念岳 蝶ヶ岳 写真
常念小屋 常念岳山頂にて


山頂から遙か彼方に蝶ヶ岳が見えています。
時計をみると11時、これから登り下りを繰り返しながらコースタイムで4時間、ザックの重さを考慮すれば4時間半は見なくてはいけないでしょうから蝶ヶ岳着は早くても15時半頃になってしまうだろう。
雷雨にならない事を願って先を急ぎます。しかしここからの道の長い事、やっと蝶槍が見えてホットしたのもつかの間、またもや一旦大きく下って再び登り返さないと行けません。

ぼやいていても仕方がないので黙々と下って黙々と登ってやっと蝶槍まで来ました。
ここまでくればあとは平坦な道を蝶ヶ岳まで穂高の山を見ながらの稜線歩きとなります。
1日中天気が安定していて雷雨にあう事も無く穂高の山並みも15時を過ぎてもはっきりと確認する事が出来ました。

表銀座 燕岳 大天井岳 常念岳 蝶ヶ岳 写真 表銀座 燕岳 大天井岳 常念岳 蝶ヶ岳 写真
やっと蝶槍までやってきた 今日はずっと山並みが見えていた


ほぼ読み通り15時30分に蝶ヶ岳ヒュッテに到着しました。
まだ日が高く日差しがあったので昨日の雨で濡れたテントを設営して乾かしながら、シュラフやらレインウェアやら一式を廻りに広げて干しました。

表銀座 燕岳 大天井岳 常念岳 蝶ヶ岳 写真 表銀座 燕岳 大天井岳 常念岳 蝶ヶ岳 写真
蝶ヶ岳のテント場にて 本日の夕食


ようやく一息、さてそれではご褒美のビールタイムと行きましょう。
生ビールはないようなので缶ビールを買い込んでテント前に座り込んでグビグビと一杯やらせて頂きました。う〜ん最高。

今日の夕食はプランスパン、ペペロンチーノ、ランチョンミート、ツナマヨ、焼き鳥の缶詰、そして重たいけど背負って来ました赤ワイン。う〜ん実にゴウジャス。

天気もいいし外でのんびりフランスパンを焼きながらワインを飲んでの実に優雅な夕食となりました。

表銀座 燕岳 大天井岳 常念岳 蝶ヶ岳 写真 表銀座 燕岳 大天井岳 常念岳 蝶ヶ岳 写真
表銀座 燕岳 大天井岳 常念岳 蝶ヶ岳 写真 表銀座 燕岳 大天井岳 常念岳 蝶ヶ岳 写真


夕食後も天候は安定していて雨の心配も無く、写真を撮って夕暮れ時の風景を楽しみました。

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蝶ヶ岳ヒュッテにて 月と蝶ヶ岳ヒュッテ

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安曇野の街明かり 山小屋のともしびシリーズ 槍ヶ岳と蝶ヶ岳ヒュッテ


翌日は外でゴゾゴゾすり音とヘッドランプの明かりで目が覚めました。
時計を見ると3時半を過ぎています。
しまった!寝坊した!今日も3時には起きて天の川を見ようと思っていましたけど寝過ごしてしまいました。
今日は最終日で下山するのみなのでそんなに慌てる事はありません。

表銀座 燕岳 大天井岳 常念岳 蝶ヶ岳 写真
暮れゆくテン場 明けの明星とテント場


取りあえずテントを抜け出して夜明けまでの間、思う存分写真を撮って過ごします。
今日も素晴らしい天候に恵まれそうで朝焼けの山並がだんだんと見えて来ます。

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朝焼け前の山並み 朝焼けが始まった


真っ暗な穂高から槍ヶ岳にかけての山並が青から虹色へと変化して行きます。
太陽が昇ると穂高から槍ヶ岳が真っ赤に染められて行きます。

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御嶽山と常念岳 穂高岳〜槍ヶ岳

朝焼けを堪能してテントに戻り、暖かい朝食にしようとアルファー米にお湯を入れて、出来あがるまでの間コーヒーを飲みました。
今日のメニューはビビンバとサンマの蒲焼き缶詰です。
周りでは皆さんテントを撤収していましたが、のんびりと朝食をとってからテントの撤収に取りかかりました。
昨日は雨が降りませんでしたが、風も無かった為に夜露でテントが濡れてしまっています。雑巾で拭いてザックにしまい、トイレを済ませて山小屋の電話でタクシーを予約して蝶ヶ岳から下山にかかりました。

表銀座 燕岳 大天井岳 常念岳 蝶ヶ岳 写真 表銀座 燕岳 大天井岳 常念岳 蝶ヶ岳 写真
今日も朝焼けが素晴らしい 早朝の蝶ヶ岳

表銀座 燕岳 大天井岳 常念岳 蝶ヶ岳 写真
朝焼けのパノラマ

三股まで下る一方で2日間歩いて来た脚が荷物の重さも加わって悲鳴をあげそうです。
転ばないようにストックを使って登山道にも注意をしながらようやく林道まで下って来ました。
ここからさらに800m程下ると駐車場です。

表銀座 燕岳 大天井岳 常念岳 蝶ヶ岳 写真 表銀座 燕岳 大天井岳 常念岳 蝶ヶ岳 写真


やっと駐車場に到着すると予約しておいたタクシーが待っていてくれました。
重い荷物をトランクに積み込んでしゃくなげ荘の登山者用駐車場に向かいます。

駐車場に着いて車に荷物を押し込んで、取りあえずしゃくなげ荘で登山の疲れを流す為に温泉に入りに行きました。
入浴後、豊科でおいしいお蕎麦を食べて今回の山行をしめくくりました。

表銀座 燕岳 大天井岳 常念岳 蝶ヶ岳 写真 表銀座 燕岳 大天井岳 常念岳 蝶ヶ岳 写真
ここから800m程林道を下れば駐車場

3日間最高の天気に恵まれて一杯写真も撮ったし、思い出に残る夏山となりました。



表銀座 燕岳 大天井岳 常念岳 蝶ヶ岳 写真
登山ルート地図<クルックすると拡大します>

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立体登山ツート地図<クルックすると拡大します>


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登山ルート断面図<クルックすると拡大します>

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