ラジオ深夜便を聞きながら支度をしていると、みなみらんぼうの「道のり」と言う歌が流れて来た。山の事を歌ったもので何となく元気が出てきた。
多少風邪気味で鼻水がでる。念の為に薬を飲んで出発する。
昨日の雨でテントが濡れてしまいちょっと重たい。
北岳から一緒だった2人組の人とはここでお別れ。挨拶だけでもと思ってテントを見るとまだ寝ているようなのであえて挨拶せずに通り過ぎた。
朝一番から登り道だ。今日は朝から快晴、快便で風邪気味をのぞけばすこぶる快調である。
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烏帽子岳から昨日泊まった三伏峠小屋方面をみたところ |
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前小河内岳からみた小河内岳と小河内岳避難小屋 |
ほぼコースタイム通り小河内岳までやって来た。ここで山頂にいた人に写真を撮ってもらう。
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小河内岳山頂にて |
小河内岳避難小屋
快晴なら小屋のバックにド〜ンと富士山が見えるハズ・・・なんだけど
写真を撮ってくれた人が「今日はどこまで行くのか?」と聞いてきたので「出来れば中岳避難小屋まで行きたいと思っている」と伝えると「ああ中岳避難小屋ならあそこに見えているよ」と指さして教えてくれた。
その人の指さすほう見て驚いた。なんと!中岳避難小屋が建っているのは谷を隔てて一山向こうの山頂付近である。ここからみたら気が遠くなるほど遠い。ひぇ〜今日1日で果たしてあそこまで行くことが出来るだろうか。ちょっと心配になって来た。
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小河内岳から見た荒川中岳避難小屋 |
小河内岳から一旦下り登り返して休憩していると熊ノ平で一緒だった人と再会する。昨日は夕方17時頃に三伏峠についたらしい。どおりで顔を見ないはずだ。ドシャブリの雨に叩かれて水も汲みにいかずテントだけ建てて取りあえず食事も口に入るものを放り込んで寝てしまったと言っていた。
ここからこの人とほぼ同じようなペースで歩く事になる。
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高山裏避難小屋 |
樹林の中を登って下って高山裏避難小屋までやって来た。
お花畑に囲まれた雰囲気の良いところだ。本来ならここで1泊が普通だが時間も早いし予定通り中岳避難小屋を目指す事にした。これで1日分行程を短縮出来る計算だ。
高山裏避難小屋から暫く行くと水場がある。中岳避難小屋には水場が無いのでここで水筒を満タンにして出掛ける。前岳までの登りの前に休憩をとって一気にガレ場のモーレツな直登に入る。
ここまで既に7時間半近く歩いて来て最後にこの強烈な登りである。
おまけに水満タンでさらに重くなったザックを背中に背負ってヒーヒー言いながらただもくもくと上へ上へと前進する。すでに標高は3000m近いため空気も薄くハーハー言いながら前岳までようやくやって来た。
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モーレツなガレ場の急登 |
登り切る手前から登って来た道を見下ろす |
ようやく中岳までやって来た。よく今日1日でここまで来たものだ。ここまで来ればもう小屋はすぐそこだ。中岳で登山道の石を整備していた人がいる。立ち止まって話をしたがこの人が小屋の管理人かと思ったらそうじゃ無かった。
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前岳からみた中岳。まだちょっと先 |
中岳山頂 |
今日はここ中岳避難小屋泊まりである。3000mの稜線上にあり、テントは張れないので小屋に素泊まりする。
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中岳避難小屋 |
小屋について受付を済ませ外でザックの整理をしていると先ほどに人が降りて来た。話を聞いたらここの管理人のファンで通っているらしい。
この人私と同じ名字でkさん、もう一人はhさん大阪の人。
このふたり中岳避難小屋まで何と小渋川を遡行して来たんだとか。これが一番早いと事も無げに言っている。みんな言っている事が凄すぎるよ。
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小屋前からみた夕方の東岳(悪沢岳) |
ここで熊ノ平から一緒だった人が到着。この人東京のAさん。
だれとでもすぐに意気投合して長話をするとても話好きなキャラ。この日は管理人とkさん、hさん、Aさん、含め小屋の中にいた人たちまで巻き込んで大いに盛り上がってしまった。
今日1日常に前を歩く単独行の女性がいた。三伏峠でAさんと知り合ったらしいのだが後で名前を聞いたら神戸から来たFさんという若い女性である。
結局最終日は3人で珍道中とあいなるのであった。
小屋は比較的空いていてとても快適であった。
昨日隣の千枚小屋は200人以上が押しかけて寝床は1人わずか35センチだったそうだ。なんだか聞くだけでやになっちゃうような話である。
夕方ブロッケン現象が見られたり雲の中に沈む夕日が赤く光ってすーっと暗くなる現象などがみられた。
今日左足くるぶしの上を痛めてしまう。下りの時に登山靴に足が当たってテンションがかかった為と思われる。登りは痛く無いが下りはテンションがかかる為にもの凄く痛い。テーピングして何とかごまかしたが明日以降が心配だ。
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三伏峠〜中岳避難小屋 ルート断面図 クリックで拡大します |
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三伏峠〜中岳避難小屋 ルート断面図 クリックで拡大します |
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